[19]AU-666


1970年の冬から1971年の春にかけて、この頃はお金をあまりかけられない高校生オーディオマニアにとってありがたい時期だったといっていい。何しろコストパフォーマンスがやたら高いものが勢ぞろいしていた。中でも注目株がサンスイのプリメインアンプAU-666だ。このアンプは当時52,800円という安値のクセに性能は並み居る7万円クラスのアンプを凌駕していた。(ちなみに私のKA-6000は¥72,500に値上がりして売っていた。)

デザインはサンスイ伝統のブラックパネル。しかし、つまみはアルミ削り出しのソフトなデザインで、ブラックフェースにありがちな重い感じは無い。トーンコントロールも低中高の3つが用意されており、狭い6畳で聞くにはありがたい。当時トーンコントロール機能は音質を劣化するというので何かととやかく言われてきたが、プアな音場を持つビンボーユーザーにとってはありがたいものなのだ。

サンスイのAU-666は国産初の純コンプリメンタリ式のプリメインアンプ。出力は大きくないが、その豊かな低音を友人の家で聞いたときは思わず唸った。しかもその時友人のスピーカーは、ラワン単板で作ったエンクロージャーにフォスターのFE103を一発突っ込んだだけのものである。低音がバンバン出てくる。これには驚いた。ちなみにこの組合わせは故長岡鉄男氏推薦のものである。

ついでに紹介すれば、この友人が持っていたアナログプレーヤーはマイクロのMR-211だ。このプレーヤーも¥28,000という価格に似合わずとんでもない音を出していた。この頃プレーヤーはどれも4万円くらいしていたが同じ性能をこのMR-211は持っていた。プレーヤーに重量を求められるちょっと前の製品で、6.9kgと重量は無かったからこの値段でできたようなものだろうけど、それにしても立派だ。

MR-211付属のカートリッジは単品でも売られているM-2100/6が付属していたと思う。単品でも売られていると言うことはそれなりに性能がしっかりしているということ。おまけではないというマイクロの戦略的構想がムンムンする製品だ。

このAU-666とFE103とMR-211の組合わせは、完全に私のシステムより勝っていた。この時ほど、トリオのKA-6000を買って失敗したと思ったことは無かった。AU-666は当時普及品のテストには必ず出てくる名機である。同時期の製品は、アンプでは後面端子の取り回しに工夫をしたオンキョーインテグラ725、トリオのKA6000、パイオニアSA70などがある。

2000-09-23

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