[22]レシーバー


部品のソリッドステート化が進み、コンポーネントといわれる、いわゆるバラバラのステレオが流行るちょっと前は、大きなセパレートステレオが幅を利かせていた。しかし、日本の住宅事情からして、大きなセパレートステレオはちょっとという意見もあった。そこで、分化したのがモジュラーステレオというものである。

モジュラーステレオは、アンプとチューナーを一体化したレシーバーというものをメインとし、プレーヤーとスピーカーを別個にしたものだ。スピーカーは小型になり本棚におけるサイズで展開された。いわゆるブックシェルフ型のスピーカーの登場である。構造上バスレフ型スピーカーは大きなエンクロージャー(箱)を必要としたが、ブックシェルフ型が研究されるにつれ、小型でも大入力の耐えて低音が出る密閉型スピーカーが発達した。

しかしブックシェルフ型というには大きいスピーカーが多かったことも否めない。何しろブックシェルフ型なのに30cmウーファーがついており、しかも3ウェイ構成だったりする。私の感覚では、ブックシェルフとして本当に本棚におけるのは、せいぜい20cmウーファーで2ウェイもしくは16cmフルレンジがいいとこである。

その頃のソースといえば、LPレコードが主流であるが、ラジオも聞きたいという向きにはレシーバーは重宝した。しかし時代はレシーバーには冷たかった。ろくにFM局もないのに高価な単体チューナーがもてはやされた。今考えても滑稽である。

2000年の今、電気店を眺めてみると、小さいピュアオーディオコーナーを尻目に、MDラジカセ、MDプレーヤーなど、小さくて便利でいろいろ詰め込んだ商品のオンパレードである。一体型のミニコンポなど見ると、ほほお、これって昔で言うところのレシーバだな、とつぶやいたところで誰もわかりはしないのだが。

2000-11-06

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