[27]JAZZ喫茶再び

そろそろ定年を迎える1940年生れ世代が過ごした青春時代というのは、JAZZ喫茶と共にあったように思います。団塊の世代よりちょっと上でしょうか。

若い頃は学生運動に身をやつし、暗く薄汚いJAZZ喫茶に通いつめ、小遣いや給料をマイルスやコルトレーンのアルバムを買いあさるのにつぎ込んだ世代。そしてそれらLPを聞くのに真空管のアンプを自作した。そんな世代がようやく企業戦士を卒業し、新しい人生を歩む年齢に達したのです。

ふと定年を迎え、静かに周りを見ると、昔集めたJAZZのLPがたくさんある。プレーヤーもホコリをかぶっているがちゃんと動く。ついでに今まで邪魔でしかなかったスピーカーも捨てられずに残っている。そうだJAZZ喫茶をやってみよう。退職金をつぎ込んで昔懐かしいJAZZ喫茶をオープンする。こんな御仁が増えているようです。

昔のJAZZ喫茶は本当に音楽を鑑賞するために有り、喫茶店のマスターご自慢の大きなフルスペックのスピーカーやアンプが幅を利かせていました。イスとテーブルはスピーカーに向けて教室のように並んでいます。当然私語は禁止。コーヒー一杯で粘れるのは2時間までと結構厳しい条件です。しかし、それでも通ったJAZZ喫茶なのです。

JAZZ喫茶で鳴らす音楽はCDではいけません。やはりLPでなければ。そしてLPを演奏するアナログプレーヤーは2台はほしい。そしてその一台に付いているトーンアームは2本。長いのと短いやつ。カートリッジはもちろんシュアーやエンパイヤがレギュラーだが、ちゃんとオルトフォンのSPUも別のキャビネットに待機している。

奏でるスピーカーは見た目に大げさでなければならない。狭い喫茶店なのに劇場用スピーカーを置く。グレー色のアルテックA7など最高です。これを大音量で聞きたいところだが、常連は昔話に花を咲かせたいので、音量もほどほど、そして私語はOK。

歪みのある音は多少は許そう。ウーファーは何でもいいがバックロードなどのホーンロードのもの。中域はセクトラルホーンでなければならない。ツイーターなんかなくても良いのだ。

イスとテーブルは木製が必須。昔のように教室みたいに並べてみよう。アンティークショップを訪れれば古い学校で使っていたような逸品が倉庫に転がっている。

同じ物が無くても構わない。ちぐはぐな色々な大きさ形のテーブルとイスが楽しい。アンティーク家具からほのかに懐かしい匂い。そうだ。昔、こういう匂いが確かにしていた。

2001-11-27