不登校とんでけ! -月野すみれ-

現役通信制高校の教員、月野すみれが「教育」について真剣に、熱意を持って語ります。現場の生の声をあなたも聞いてみませんか?

教育現場シリーズ

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あなたもライターになれる
 

不登校とんでけ!

26 体育
25 先入観(2)
24 先入観
23 卒業式
22
21 ストレス
20 がむしゃら
19 まずは相手から
18 成人式
17
16 年賀状
15 まもる
14 大人になるということ
13 ルール
12 いちばん
11
10 中退
9 推薦
8 高校って何だろう?
7 ある進路相談(2)
6 ある進路相談
5 通信制高校とは?
4 いいこ
3 怒る
2 レディースみたいな
1 通信制高校

第7回

ある進路相談(2)


 こんにちは、月野 すみれです。今日も「教育」について真剣に、熱意を持って語ります。現場の生の声に耳を傾けてみて下さい。

 今、街は金木犀の香りに包まれていますよね。私は10月生まれということもあり、金木犀の花がとても好きです。オレンジ色の星形の小さな花は、金平糖を思い起こさせて、とても可愛らしいですよね。(10月16日)

 今回は「ある進路相談(2)」ということについて、話そうと思います。


 先日、私のクラスの女の子が願書を持って、相談に来ました。彼女はもう希望の専門学校を決めていました。希望がしっかりしているので、私はその専門学校の書類の確認をはじめました。

 彼女は「自己推薦」という形での入試を希望していました。「自己推薦」とは、字の通りに自分で自分の良さをアピールして、評価してもらう入試方法です。

 確認している書類の中に、自己推薦書のコピーが入っており、下書きがしてあります。私は何も考えず、その推薦書のコピーを読み、自然と「ここはこういう表現がいいんじゃないの?」なんて言いながら、添削をし始めてしまいました。「『自己推薦書』は、少し大袈裟だなって思うくらいの表現でちょうどいいくらいなんだよ。」なーんて、話しながら・・・。

 ふと、顔をあげて彼女を見ると、彼女の目から大きな涙がポトリと落ちました。私は、何故彼女が泣いているのか、訳がわからなくて、かなりうろたえてしまいました。すると、彼女はこうつぶやきました。

 「それでは、私の書いた文章じゃない。そんな自分に嘘をついて、専門学校に行くのは嫌だ。本当のことを書いて、落とされるんだったら、そんな専門学校には行きたくない。」と。

 私は、今までずっと、「私が手助けをして良い方向に進むのであれば、少しでも力になってあげたい。」と思っていたので、生徒が文章を書いてくれば、それを読んで添削するのが当たり前のこととなっていました。

 彼女の言葉を聞いて、すごく恥ずかしくなり、そして何もわかっていなかった自分に腹がたちました。いつの間にか、相手の気持ちを考えることなく自分の価値観を押しつける人になっていたんだなと思って。私が最も嫌いとするタイプの人間です・・・。

 それから彼女にひたすら謝り、悪気があってしたことではなく、むしろ彼女のためを思って出過ぎたことをしてしまったのだと説明しました。彼女は私の話を理解し、ある程度は納得してくれたようでした。でも、話が一段落ついたとき、こうつぶやいたのです。

 「私はいつも、自分のちっぽけなプライドのためにいろいろなことを犠牲にしているんだ。そうやってみんなに嫌われていくんだ。」と。

 彼女は、私に文章を直されたことによって、自分の全部を否定されたような気分になったのかもしれません、自分が正しいと思うことを言っても聞き入れてもらえなかったことを思い出したのかも知れません、素直に好意に甘えることができずにいる自分がもどかしくなったのかもしれません・・・。

 私には彼女がそうつぶやいた理由は、はっきりとはわかりませんでした。でも、彼女が傷つき、そして自分を責めているということは、はっきりわかりました。

 「私はあなたのことを嫌いになってなんかいないよ。今日、お話をして、余計に好きになったんだよ。あなたは、私が忘れていた大事なことを教えてくれた。これは本当に感謝をしています。どうもありがとう。私は、あなたのことを傷つけてしまった。でもね、そこであなたが私の良くないところを教えてくれたから、私はもう同じ間違いをしなくて済むんだよ。自分が正しいと思うことを言うことは、時にはとても辛く、勇気がいることもあると思う。私も、自分が正しいと思うことを押し通して、誤解されたり、人間関係がうまくいかなくなったりしたことも、実際に経験したことがある。でも、何も言わなかったら、何も変わらないし、自分が正しいと思ったことを続けていけば、必ず理解をしてくれる人がついてきてくれるものだよ。」と。

 私の言ったことをすべて彼女が納得したとは思っていません。でも、帰る頃には、彼女の顔には微笑みが戻ってきていました。

 余談ではありますが、この間、彼女が笑顔で専門学校の「合格」を知らせてくれました。自分の力で「合格」を勝ち取ったこの経験は、きっと彼女の自信へと繋がっていくのだと思います。


次回は、「高校って何だろう?」について、私が思うことを話します。

2000.10.30

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月野すみれ

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更新:2008.11.19
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