SMの行き着くその果ては・・・

エロティックな巨匠たち
Part1

一見堅苦しいクラシックの世界。でもそこに潜むものは現実よりも官能小説よりもリアルでエロティックな人間の愛憎の姿。古今東西芸術の巨匠達の裏路地にご案内します。

朝比奈マリー

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エロティックな巨匠たち2〜歴史を彩る淫らな女たち〜
歴史を彩る限りなく魅力的なダメ男達!
 

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27 血の王女
26 毛皮を着たヴィーナス
25 サロメ幻想
24 ダナエの吐息
23 復讐のメディア
22 ヴィーナスの謎
21 血の婚礼
20 マハのほほえみ
19 血と砂
18 カルメン!
17 閉じ込められて
16 禁断の夜話
15 愚かしく美しく
14 血の滴るキャンバスその2
13 血の滴るキャンバス
12 聖なる快楽
11 謎の幻想庭園
10 サド侯爵 二人のヒロイン
09 「幻想交響曲」ある男の妄想と願望
08 SMの行き着くその果ては
07 エロティックな倭人たち
06 呪いのヴァイオリン
05 禁断のオペラ その2
04 禁断のオペラ
03 愛と罪と禁忌と罰と(雷帝イヴァンとその息子イヴァン)
02 青のエロス
01 倒錯した少女ジュリエット
00 ワーグナーが贈る、究極の性愛
 
第8回

SMの行き着くその果ては・・・

〜谷崎潤一郎「春琴抄」より〜

芸術家の卵の皆様、ごきげんよう。
今日は日本文学史上、最も壮絶なハッピーエンドのカップルを紹介しましょう。
谷崎潤一郎の「春琴抄」。読んだ方も多いかしらね?

ねえ、学生の皆さん。もしあなた方の恋人が、あなたのために手足や目を失ったらどう?
後悔や、申し訳なさで気も狂いそう?
そうね。それが普通よね。
ところがこの物語のヒロイン・春琴は彼女のために針で目を突いた恋人に、
「よく決心してくれました、おおきに」という言葉を捧げるの。
まるで、待ちわびたその日が来たかのような感涙さえ浮かべて・・・ 壮絶よね。
そして初めて愛を受け入れられたことにむせび泣く男・・・異常よね。

SM文学に見えるって?・・・ええ、その通りよ。
ただね、この物語は、数あるSMの実態を描く小説を一歩越えて、
サドマゾの行き着く先の世界を描いているから凄いと思うわ。

この二人−盲目ながら天才気質で、大変に誇り高く、贅沢な性格の春琴と、
純朴でめそめそしていて、柔和なその家の丁稚・佐助。
主従関係だけでなく、琴三味線の師弟でもあったのよ。

二人のプレイの第1ラウンドは春琴の音楽の授業。
まあ、その教えのすさまじいこと!
佐助が間違えるのを三味線のばちを持って待ちかまえて・・・
額から血を流しながら佐助は、
「お師匠はん、許して下さい、見捨てないで」とひいひいと泣いている。

第2ラウンドは、日常のお世話。
春琴は自分の目として、佐助にお風呂や着替えの世話もさせるほどに
佐助に心を赦していたと谷崎は言うけれど、
あたしは佐助を人間扱いしていないからこそ自分の裸を見せられたと見てるわ。
ペットの前で着替えができるのと同じでね。

第3ラウンドはひどい!!
夕べのお布団でいつものように懐で春琴の足を暖めていた佐助を、とうとう誘惑するの。
やがて妊娠した春琴だけれど、
「使用人と交わったなんて知られたくない、使用人の子などいらぬ」と、
子供を抱きもせずに棄てたの・・・

そして最終ラウンドが、春琴が人の恨みを買って、顔に煮え湯をかけられる時ね。
「火傷に汚れた顔など、おまえにだけは見られたくない」
こんな風に言われて、佐助は針で目をついたのよ。
こうまでしなければ、佐助を対等な愛の対象にできなかったなんて!
また佐助が春琴に献身する境地に至るまでには、
春琴の倒錯した卑下と背中合わせの愛情にどっぷり浸かって、
自分さえ見失わねばならなかったでしょう。

そうね・・・サドマゾの究極はいわば献身でしょうね。
サドは違うだろうって?あら、サドの側もそうよ。
だって、春琴が佐助の献身を身に受けて、「ごめんなさい」と泣いても、
決して佐助は喜ばないと思わない?
サドの側はどんな時にでも誇り高くあることで、マゾを天にも上る心地に導くのよ。
愛とは献身 そうならば、サドマゾだって広い意味で愛といえるでしょう。

さて、人生と命を懸けたサドマゾの世界・・・お若いあなた方はどうお感じになったかしら?
鞭と蝋燭だけがサドマゾじゃないって、奥が深いでしょう?

〜〜〜〜〜〜〜おまけ〜〜〜〜〜

谷崎は足フェチだったとか。それも、野性的な臭いのそれを偏愛なさったらしい。そういえば谷崎の小説には厠とか、排泄物とか・・・
細雪のラストさえ、ヒロインに下痢を催して冷や汗を流させていたっけ・・・

朝比奈マリー 都内大学講義テープより 抜粋

2003.03.03

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更新:2013.06.06
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