サド侯爵 二人のヒロイン

エロティックな巨匠たち
Part1

一見堅苦しいクラシックの世界。でもそこに潜むものは現実よりも官能小説よりもリアルでエロティックな人間の愛憎の姿。古今東西芸術の巨匠達の裏路地にご案内します。

朝比奈マリー

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エロティックな巨匠たち2〜歴史を彩る淫らな女たち〜
歴史を彩る限りなく魅力的なダメ男達!
 

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27 血の王女
26 毛皮を着たヴィーナス
25 サロメ幻想
24 ダナエの吐息
23 復讐のメディア
22 ヴィーナスの謎
21 血の婚礼
20 マハのほほえみ
19 血と砂
18 カルメン!
17 閉じ込められて
16 禁断の夜話
15 愚かしく美しく
14 血の滴るキャンバスその2
13 血の滴るキャンバス
12 聖なる快楽
11 謎の幻想庭園
10 サド侯爵 二人のヒロイン
09 「幻想交響曲」ある男の妄想と願望
08 SMの行き着くその果ては
07 エロティックな倭人たち
06 呪いのヴァイオリン
05 禁断のオペラ その2
04 禁断のオペラ
03 愛と罪と禁忌と罰と(雷帝イヴァンとその息子イヴァン)
02 青のエロス
01 倒錯した少女ジュリエット
00 ワーグナーが贈る、究極の性愛
 
第10回

サド侯爵 二人のヒロイン

もしもあなた方やあなた方の恋人がすっかり没落してしまって、身を売ってしか生きていけなくなったなら、どちらの生き方を望むかしら?
今日はサド侯爵著作中、最大のヒロインの姉妹のことをお話しましょう。

まずは「悪徳の栄」のヒロイン、姉娘のジュリエット。
奔放で明るく、ユニーク性に富んだ彼女は、あたしの最も好きなヒロインの一人よ。
両親の死と共に修道院を追い出され路頭に迷った彼女は、道徳なんてクソ食らえとばかりに悪事で身を立てるの。
修道院で教わった貞節・道徳など、こんな状況じゃ役に立ちやしないんだもの。
生きるためにジュリエットは何でもしたわ。売春、泥棒、殺人・・・ついには悪徳を行う秘密結社にも入るのだけど、
決して仕方なく入ったわけでもなかったの。
悪事を起こす彼女の姿は、本当に生き生きと描かれているんですもの。
生き別れの父との近親相姦や、妹の死体を男達に侵させたり・・妊婦の腹を裂くのが趣味という伯爵との残酷な性行為等々、ジュリエットのおぞましい商売は、あたしでさえ本をたたみたくなったくらいだわ。
それでも何だかジュリエットを憎む気になれないのは、彼女に罪悪感というものがない分、とても痛快な印象を与えられるからでしょう。
「悪事をやるためにあたしは生きてる、それならとことん楽しまなくちゃ」・・・軽妙で可愛らしい口調で彼女は自分の人生をこう語るわ。

一方、「美徳の不幸」のヒロイン、妹娘のジュスティーヌ。
カトリックの教えにがんじがらめの、貞淑で清楚、意志の強い美人。
作者・サドが生涯の作品の中で最も愛したヒロインよ。
両親の死と共に修道院を追い出され路頭に迷った彼女は、騙されて窃盗団の一員となったり、変な人物の家の女中になったりするけれど、彼女は姉のように身を売ることも悪事で儲ける事も嫌うから、暮らしは惨めだった。
それでもいつか幸せになれる日を夢見る彼女に、読者も彼女の幸せを祈りながら読み進みことでしょう。
でも、サドは容赦しない。

オペラの歌詞に「愛」「花」「恋」という言葉が散りばめられるように、
「尻」「玉門」「鞭」「ペニス」「血」「拷問」 敬虔な彼女の人生をこんな言葉で彩るの。
でも、流石ジュリエットの妹だけあって彼女、段々そうやってイヤイヤすることに興奮してくるわけ。
特に、男達に愛撫されつつナイフで体中を切り刻まれる彼女の死に際の場面はどの小説よりもリアルで生々しいわ。

「あたしはオーガズムなんて感じていません、そんな淫靡な感情など・・・」
そして、死して尚、尻だけになった死体を責め苛まれるジュスティーヌ。
あんまりよね。
それもこれも、彼女が頭に刷り込まれた「愛する男以外のものをくわえるのは罪だ」という、
そんな処女神話に拘ったせいだなんて、皮肉でしょう?

サドはどうやらジュスティーヌに肩入れしていたようだから、放埓な性を賛美しながらも、実は貞淑さの裏に頑なに隠れた性をより強く求めていたように思うけど。
皆様はどうお思いかしら?

あたし?
あたしは・・・そうね、もしあたしの恋人が二人のような状況に陥ったら・・・
やっぱり、どんな悪事を重ねても、他の人間と寝ても、あたしから離れても、ジュリエットのように楽しく、どこかで生きていて欲しいと願うわ。

2003.04.16


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更新:2013.06.06
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