禁断の夜話

エロティックな巨匠たち
Part1

一見堅苦しいクラシックの世界。でもそこに潜むものは現実よりも官能小説よりもリアルでエロティックな人間の愛憎の姿。古今東西芸術の巨匠達の裏路地にご案内します。

朝比奈マリー

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エロティックな巨匠たち2〜歴史を彩る淫らな女たち〜
歴史を彩る限りなく魅力的なダメ男達!
 

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27 血の王女
26 毛皮を着たヴィーナス
25 サロメ幻想
24 ダナエの吐息
23 復讐のメディア
22 ヴィーナスの謎
21 血の婚礼
20 マハのほほえみ
19 血と砂
18 カルメン!
17 閉じ込められて
16 禁断の夜話
15 愚かしく美しく
14 血の滴るキャンバスその2
13 血の滴るキャンバス
12 聖なる快楽
11 謎の幻想庭園
10 サド侯爵 二人のヒロイン
09 「幻想交響曲」ある男の妄想と願望
08 SMの行き着くその果ては
07 エロティックな倭人たち
06 呪いのヴァイオリン
05 禁断のオペラ その2
04 禁断のオペラ
03 愛と罪と禁忌と罰と(雷帝イヴァンとその息子イヴァン)
02 青のエロス
01 倒錯した少女ジュリエット
00 ワーグナーが贈る、究極の性愛
 
第16回

禁断の夜話

こんな時間にどうしたの?あら、その後ろに隠したものはなあに?
胸騒ぎで眠れないって?・・・そう。でも寝酒は感心できなくてよ。
さあ、一杯だけ飲んだらいらっしゃい。イタリアの古い夜話でもしましょうか。

ねえ、「デカメロン」の100のお話のうち、何がいいかしら?
・・・やっぱりこのボッティチェリの描いた挿絵が気になるのでしょ。
一糸纏わぬ乙女のお尻に噛み付く猟犬に、それをけしかける騎士。
乙女の恐怖に歪んだ顔と、騎士の憎しみとも快楽とも付かぬ表情が
何より印象的よね。とんでもない絵ね。

この二人は、実は怨霊なのよ。
生前は騎士の方が乙女に振られつづけていたの。
やがて思いつめた騎士は首を括って死んでしまったのよ。
その直後に騎士を苦しめた罪で乙女も死に至るのだけど。
乙女を追いかけ、槍で突き刺し、その内臓を猟犬に食わせる、
そんな場面を永久に繰り替えす呪われた魂になってしまったのよ。

このお話が何を語りたいのかというと、
この幽霊を見た一人の青年も、領地内の村娘に振られつづけていたのね。
ところが、この霊を村の女達に見せると、
村娘も青年についに身を任せ、村の女たちも従順になったというオチ。
めでたし、めでたし・・・だなんて作者・ボッカチオは一体何を考えているのかしらねえ!
「恐怖が原因となって大いなる善となった」なんて説明がされてるけど、
それじゃあまるっきり、獣社会じゃないこと?

「デカメロン」のほかの話からも、何となく女性を憎んでいる節が見られるのよ。
この村娘だって少しの理知と誇りがあれば、
「こんなことに屈して誰が嫌な相手と結婚するもんですか」って言うはずよ。
それなのに、簡単に男に見を任せるような女にボッカチオは、結局しちゃってる。
・・・それはボッカチオの母親が次々と夫を変えるのを見ていたり、
王家の娘に手ひどい失恋をした経験から来るものなのかもしれないわね。

それにしてもボッカチオだけじゃなく、
ヨーロッパの芸術作品は何故か、知性のある女性って登場しないのよ!
男に苛められるのが似合う女、生命力に溢れた単純な女、愛に生きるだけの女
この3タイプに大きく分けられるかしらね。
そして、イタリアの男達って今も昔も女には優しいわよね。
これって国民性だというけれど、もっとしたたかな男の知恵が隠されていると思うわ。
だって、毎日「綺麗だよ」と誉められるだけで女は従順になる、
つまり相手に誉められる事にしか頭を使えないバカになっていくのよ。
もちろん、悔しいけれどあたしもその一人だわ。

この本は純愛物と信仰物文学しかなかった当時は発禁になったけれど、
やっぱりヨーロッパ文学の基礎と呼ばれるだけあるわ。
欧米人の基本的な女性観ってこの物語に始まるのかも・・・

あら、あなたったら大きなあくびだこと。
構わなくてよ、お休みなさい。
あなたが眠ってしまうまで、こうして赤ちゃんのように抱いていてあげてよ。

朝比奈マリー イタリア・ラヴェンナにて

2003.08.09


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更新:2013.06.06
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