マハのほほえみ

エロティックな巨匠たち
Part1

一見堅苦しいクラシックの世界。でもそこに潜むものは現実よりも官能小説よりもリアルでエロティックな人間の愛憎の姿。古今東西芸術の巨匠達の裏路地にご案内します。

朝比奈マリー

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エロティックな巨匠たち2〜歴史を彩る淫らな女たち〜
歴史を彩る限りなく魅力的なダメ男達!
 

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24 ダナエの吐息
23 復讐のメディア
22 ヴィーナスの謎
21 血の婚礼
20 マハのほほえみ
19 血と砂
18 カルメン!
17 閉じ込められて
16 禁断の夜話
15 愚かしく美しく
14 血の滴るキャンバスその2
13 血の滴るキャンバス
12 聖なる快楽
11 謎の幻想庭園
10 サド侯爵 二人のヒロイン
09 「幻想交響曲」ある男の妄想と願望
08 SMの行き着くその果ては
07 エロティックな倭人たち
06 呪いのヴァイオリン
05 禁断のオペラ その2
04 禁断のオペラ
03 愛と罪と禁忌と罰と(雷帝イヴァンとその息子イヴァン)
02 青のエロス
01 倒錯した少女ジュリエット
00 ワーグナーが贈る、究極の性愛
 
第20回

マハのほほえみ

初めて女性の裸を見たときのこと、覚えている?
・・・そうみたいね。なかなか思い出せないものらしいわね。
でも、きっと神秘とか憧れとか、不思議な感覚だったんじゃなくて?
その気持ち、思い出してみない?・・・プラド美術館に行きましょう。
ゴヤの「マハ」はきっとあなたを少年の日に帰してよ。

あなたったら。さっきまでのはしゃぎっぷりは何処に行ってしまったの?
・・・「裸のマハ」はあなたみたいな人も、見事に虜にしたようね。 
 お行儀がよいとは言えないポーズに、 
 左右に大きく開いた、形が良いとも言えない乳房、 
 気品があるとも美人とも言えない顔立ち、
決してモデルを美化したりはしないゴヤの筆に、何て人間的に「マハ」は描かれているんでしょう。

神格化した女性の裸、つまり造られた理想の女性の裸、余りに整った女神の裸しか目にした事のない当時のスペイン市民には、陰毛まで描かれたあけっぴろげなマハのヌードは大変な衝撃で、裁判沙汰にまでなったんですってよ。

その横は「着衣のマハ」。「裸のマハ」と同じポーズで、面白いでしょ?
「裸のマハ」の注文主の宰相ゴドイが、カモフラージュのために後年描かせたと一般には言われてるわ。
「着衣のマハ」の裏に「裸のマハ」を飾ったとか、俗説は多いけど。
え?二つのマハの顔が全然違うって?・・あたしもそう思っているのよ!

マハのモデルはゴドイの内縁の妻、若いぺピータか、宮廷の華でゴドイの愛人・またゴヤの愛人でパトロンのアルバ女侯爵か、この二つの定説で今のところは論争されているわ。
あたしはね、「裸のマハ」がぺピータで、「着衣のマハ」の顔がアルバ女侯爵だと思っているの。
顔も「裸のマハ」よりも遥に似ているしね。

「裸のマハ」はあたし、エロティシズムよりも、健全な愛らしさを感じるの。
完璧じゃないボディをリアルに描く事で、モデルの全てを受け入れてる。
ゴヤからの最高の女性賛美だと思うわ。

一方、「着衣のマハ」こそにあたしは真のエロスを感じるのよ。あら、あなたも?
腿の間、生殖器に張り付くような薄絹を纏って、嫣然と微笑むマハ。
同じ表情のようでも、「着衣のマハ」の方が頬の赤味が強いし、「あたしの身体は美しいでしょ?」とばかりの「裸のマハ」の満足げな目線に対し、「着衣のマハ」の恥らうような表情と視線の強さ、まるで、今にも目の前の筆を持った画家が、いつ自分に覆い被さってくるかを期待し、恐れているような緊張感が伝わるわ。
そこには50歳のゴヤを狂わせた、アルバ女侯爵との逢瀬の日々が見えてこないこと?
この表情は特別な男にしか見せないものよ。・・・判るの。同じ女だもの。
ええ。情事が始まる直前の、彼女の胸の高まりが聞こえてきそうよ!

「裸」の後にどうして「着衣」だって?
そうねえ。・・・これは想像だけれど、若いぺピータの身体に、アルバ女侯爵の若い日をゴヤは見たんじゃないかしら。
そして、今目に浮かぶアルバ女侯爵の最も美しかった姿は、湯上りの肌にトルコ風の絹を纏うその風情・・・
「裸のマハ」の身体の上に白い絵の具を塗りつける作業は。
ゴヤにとって愛撫にも等しい、いいえそれ以上の心地だったでしょうね。

ねえ、来たばかりだけど、あたし帰りたくなったわ。
あたしね、あなたを描きたくなったのよ・・・あら、あなた、どうかして?
え?初めて覗き見したポルノグラフを思い出したって?
まあ!男の方ってこれだから!
ええ・・・「芸術ってそんなものよ」って、確かにあたし、言ったけれど。

朝比奈マリー スペイン プラド美術館にて

2003.11.01


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更新:2013.06.06
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