毛皮を着たヴィーナス

エロティックな巨匠たち
Part1

一見堅苦しいクラシックの世界。でもそこに潜むものは現実よりも官能小説よりもリアルでエロティックな人間の愛憎の姿。古今東西芸術の巨匠達の裏路地にご案内します。

朝比奈マリー

カテゴリ

エロティックな巨匠たち
Part1
エロティックな巨匠たち2〜歴史を彩る淫らな女たち〜
歴史を彩る限りなく魅力的なダメ男達!
 

ご案内

マガジンの登録と解除

朝比奈マリー自己紹介
あなたもライターになれる
 

Part1過去記事

 

Part2に行く

27 血の王女
26 毛皮を着たヴィーナス
25 サロメ幻想
24 ダナエの吐息
23 復讐のメディア
22 ヴィーナスの謎
21 血の婚礼
20 マハのほほえみ
19 血と砂
18 カルメン!
17 閉じ込められて
16 禁断の夜話
15 愚かしく美しく
14 血の滴るキャンバスその2
13 血の滴るキャンバス
12 聖なる快楽
11 謎の幻想庭園
10 サド侯爵 二人のヒロイン
09 「幻想交響曲」ある男の妄想と願望
08 SMの行き着くその果ては
07 エロティックな倭人たち
06 呪いのヴァイオリン
05 禁断のオペラ その2
04 禁断のオペラ
03 愛と罪と禁忌と罰と(雷帝イヴァンとその息子イヴァン)
02 青のエロス
01 倒錯した少女ジュリエット
00 ワーグナーが贈る、究極の性愛
 
第26回

毛皮を着たヴィーナス

列車の長旅に退屈してしまったって?
ボンボンはいかが?それともマガジンでも買っていらっしゃいよ。
・・・子ども扱いするなって?
分かったわ。それじゃあ、とびっきり大人で刺激的なお話をしましょうか。

例えばこれ、あたしが読んでた本、マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」。
マゾッホは「マゾヒズム」の語源になった人、フランスのサドと対極に扱われる事が多い、ウィーンの作家よ。
中でもこの本「毛皮を着たヴィーナス」は、マゾッホの性生活の自伝と言われていてね、とっても、とっても興味深い一冊だと思うわ。

マゾッホが描く女って、どれもこれも壮絶でね、
 ・愛する男を嫉妬ゆえに、ライオンに食い殺させるサーカスのライオン使いの女
 ・泥棒の恋人を奴隷化し、最後は警察に売り渡し、彼の絞首刑を満足げに見物する、ロシア女。
 ・青年になり立ての男の子達を欲しいままに虐待し、最後は強姦されて殺されるローラという女。
対し、男の方はというと、ひ弱で無個性で一途。
警察署長の息子で、大学教授だったマゾッホもそんなタイプの男だったのかしらね?

「毛皮を着たヴィーナス」においては、未亡人ワンダは享楽的に人生を楽しんでいる教養高い女性。
セヴェリーンは、ギリシャ彫刻に恋する夢想家。
二人は奇妙な契約書を交わすのだけれど、「ワンダは素肌に毛皮を着て、ゼヴェリーンに権力を振るうこと、ゼヴェリーンは彼女の奴隷とること。」
これって、マゾッホがある女性と恋したときに交わした契約書にとってもよく似ているんですってよ。

ねえ、どう思う?
二人の黒人女に鞭打たれるゼヴェリーンを見るワンダのせせら笑い。
勝ち誇るワンダと、彼女の足に犬のように踏まれたゼヴェリーン、
                    それを描く画家。
ワンダが他の男と抱き合う姿を見せつけられたゼヴェリーンの、
                   エクスタシーの涙。
みんな、本当にあったことなのだったら、それって、「事実は小説より奇なり」って感じよね!

更に、マゾッホの人生で興味深いのは、この本を刊行した後に、奇妙な結婚をしていること。
相手は貧民街に住むお針子で、美人でもない。
彼は彼女を「ワンダ」と呼び、まるで小説の中のワンダになるべく調教するの。
そのやり方たるや、常識なんて言葉がばからしいってくらい。
夫自ら新聞広告でワンダの貫通相手を募ったり、娼婦をさせたり。
ワンダもそれに応えて夫の快楽を満足させたのよ。

そう、それって、マルキ・ド・サドが娼婦を教会の十字架の上で浣腸して侵そうとしたり、浮浪者の老婆をいきなり町中でむち打ったりしたような、そんな事件と精神的にとっても通じるものがある気がしない?

え?サドとマゾのどちらの性癖の方が罪が重いかって?
そうねえ。作家の人生としては一見、マゾッホの方が健康的に見えるけど・・・
あたしはマゾの方が罪で、欲も深いと思うわ。
だって、マゾの願望のその究極は「残酷に血みどろになって殺されたい」ってことでしょ?
それって「誰かを殺したい」とか「飛び降りて自殺したい」って思うことよりも、ずっとエゴイスティックじゃないこと?

まあ、なあに?あたしの性癖がどっちかって聞くの?
それはあなたの方がよく知っているのではなくて?
・・・なあに?・・・聞こえないわ。

朝比奈マリー フランクフルト行きの列車にて

2004.08.05


スポンサード リンク

エロティックな巨匠たち


 

たまごや

アンコールワット世界遺産

ブルゴーニュ通信局

誰でもなれる国際人

知って得する労働法

週刊マナー美人

常識ぽてち

女性のためのクルマ読本

週刊節税美人

ファミレス様、覚悟せよ!

小口輸入支援・販路ドットビズ

お店で買うにはちと恥ずかしい


創刊:2002.10.15
訪問者数:
更新:2013.06.06
デジタルたまごやトップ