エッチの条件 -遠山千秋-

男の前で身も心も裸になる瞬間、すれ違う思いと言葉。嘘をついたのは身体なのか、心なのか・・。性にまつわる女の子の本音を赤裸々に綴ります。

遠山千秋ご案内

はっぱ

遠山千秋自己紹介

はっぱ

発行履歴

新着エッセイ

エッチの条件2へ
51 ヨイノクチ。
50 伝わる想い
49 ぎりぎりのライン
48 静なる性
47 甘えの構造
46 近くて遠い距離
45 簡単嗜好
44 感度の問題
43 壁を越えた向こう側
42 遠距離の秘訣
41 暗い夜の足音
40 イイ男の条件
39 別れの理由
38 喪失の代償
37 おんなの証
36 透明なキモチ
35 薄皮一枚の先
34 永遠の契り
33 沈黙の絆
32 充足の蓄積
31 生の浄化
30 愛しさの根源
29 損得の果て
28 嫉妬の正体
27 身体の声
26 素晴らしき日々
25 痛みの行方
24 罪への階段
23 愛撫の条件
22 キレイの条件
21 評価の主体
20 内を守るもの
19 快楽の種類
18 性の主役
17 充足の存在
16 神秘の入り口
15 その手の温もりの中に
14 一方通行の先
13 明日への条件
12 浮気の条件
11 「感謝」から「当然」までの距離
10 性から日常へ
09 月に一度は
08 正しい言葉
07 言葉が欲しい。
06 目交わいの条件
05 0.5の寂しさ
04 FIRST LOVEの条件
03 ハダカの条件
02 カラダの条件
01 KISSの条件

00

プレリリース

第11回

「感謝」から「当然」までの距離


その存在の脆弱さ

盆が明けて、一瞬で空気が変わった。
蝉の声も遠く、光が優しい。
涼しい風が秋の匂いを運ぶ。

で、風邪をひきました。熱っぽいです。
横になって目を瞑っていると、いろんなことが見えてくる。
手の届かなかった過去とか、今まで見ぬ振りして逃げてた現実とか。

そうじゃなくても、とても寂しくなる。
一人でいると尚更。

自分の弱さを痛感して、布団にぐるぐるくるまって小さくなってしまう。
ぼんやりする頭も、まとわりつく空気も、気怠い身体も全部好きにはなれない。

全部自分のことのはずなのに、こんなの私じゃないって気持ちが強くなる。まるで元気な時にしまっておいたはずの日常の棘が、病気でむき出しになった心に突き刺さって、そこだけ逆剥けをおこしてるみたいだ。

そんなんだから、誰かが側にいてくれると、とても嬉しい。
迷惑かけてるなあとか、寝てるだけで悪いなあって思うのも一瞬、やっぱり一人でいてもロクナ事考えないので、その存在がただただ有り難い。


当たり前までの距離


突然だけど、私の母は身体の弱い人だった。よく体調が優れないといっては床に伏していた。母はいつも夜遅くまで帰らぬ父を責めていた。
「私と仕事とどっちが大事なの」ってまるでドラマみたいな台詞を吐いていた。私はそんな母に育てられたせいか、つい最近までなんとなく父の方が悪い気がしてた。

でも、仕事を始めてからは、父のあり方は正しいと思った。よくまあ、母の小言に負けずに勤め上げたものだと思う。母の甘えにすべて迎合してたら、会社など勤められない。

自分と社会とのぎりぎりの線で闘っている男の人は格好いい。仕事場で、間近にそういう人を見てそんな思いが強くなる。古風な言い方になるかもしれないけど、男ってのは闘う生き物なんだなーって思う。

目が違う。気迫が違う。女には絶対持てないものが、そこにはある。

父は、「男」だったんだって今では思える。
何も言わず、ただ闘っていた。家庭でも、職場でも。

でも、こんな日は、こんな夜は、考えてしまう。
日頃の不摂生が祟ったことを棚にあげて、側にいて欲しいと願う。

そして、それがなかなか叶わなかった母を思う。

「居てくれてありがとう」から「どうして側にいてくれないの」までの、あまりの距離の近さに、私は寒気を覚える。

それは、決して風邪の所為なんかじゃなくて。


2002.08.27
 

遠山千秋

エッチの条件

 

 

たまごや

知って得する労働法

週刊マナー美人

常識ぽてち

女性のためのクルマ読本

週刊節税美人

小口輸入支援・販路ドットビズ

お店で買うにはちと恥ずかしい


創刊:2002.06.14
訪問者数:
更新:2016.12.02
デジタルたまごやトップ