離婚から南半球 -水島 心-

先に離婚を口にしたのは私の方。でもそれは本当に別れたかったわけじゃなくて、相手にされたい気にかけて欲しいという気持ちからだった。2年目の結婚記念日の離婚話から南半球への海外逃亡に至るまでの激動の物語。

離婚から南半球|オーストラリア

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更新日:2008/11/19

 

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創刊:2004/10/05

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[離婚から南半球]  ライター水島 心(みずしまこころ)


第1回

結婚記念日

先に「離婚」を口に出したのは、確かに私の方だった。

でもそれは、本当に別れたかったわけじゃなくて、相手されたい、気にかけて欲しい、心配して欲しい、という気持ちが間違った方向に飛び出してしまった結果、だと思う。

夫が3年前に興した会社は順調に大きくなっていき、会社で過ごす時間が増えていった。

そして、私の中のフラストレーションも、同じように成長していた。現状を変えたいと思い悩むうちに、子供ができれば二人の関係はもっとよくなるはず、子供が欲しい、という考えが私の中に充満し、さらに私を苦しめた。例えば、毎月生理が来るたびに、この1ヶ月間にSEXしたか考えたり、毎晩夕食を食べたらすぐにソファーで寝てしまう彼を見ていると虚しくなったり、二人の間に距離を感じ始めていた。

その日、私は機嫌よく夫の帰りを待っていた。2回目の結婚記念日だったから。
たまにはゆっくり話をして、子供が欲しいことも言ってみよう。夫の好物も作ったし、ケーキも買った。どんな反応をするか期待しながら、電気を消して、ケーキに2本の蝋燭を灯して待ち受けていた私に、夫が発した言葉は、

「何、それ。」
「え、結婚記念日だから、ケーキ。」
「あぁ…ふぅん。着替えてくる。」

少しがっかりしたけれど、とにかくケーキは冷蔵庫に入れ、夕食をテーブルに並べた。短時間で食事を終えた夫は、

「今日、疲れたからもう寝るわ。」

と言い残し、さっさと寝室へ移動した。一人リビングに取り残された私は、床に正座したまましばらく動けなかった。どうしてだろう。でも、ものすごく疲れているのかもしれない。でも、一口だけでもケーキ食べてくれてもいいんじゃない?

そして、ふらふらと立ち上がってベッドルームのドアを開けた私が発した言葉は、

「離婚したい。」
「え、ちょっと待てよ。どうしたんだよ。」夫は驚いて飛び起きた。
「3日後の日曜日に結婚記念日を祝うためにフレンチレストランを予約してあるだろ。お祝いはその日でいいと思ってたから…。」

慌てて私をなだめる夫を見ていたら、一人で過ごす時間が長すぎて、余計なことを考えすぎていたのだろうと思えてきた。何か習い事でも始めようかな、と思いながら、ベッドに入った。この時はまだ、一度言葉にしてしまったことは、もう取り消すことはできないということに気付いてはいなかった。

2004.10.05


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