主婦のメルトモ事情2 -佐原天希-

世間から見たら平凡で幸せすぎるぐらい幸せな主婦の私が踏み込んではいけない“新しい世界”を知ってしまったきっかけは「メール」。私が隠し持っている“引き出しの中身”をこっそりとあなたに見せてあげましょう。

主婦のメルトモ事情

はっぱ

主婦のメルトモ事情Part1
by 月野ルナ

はっぱ

主婦のメルトモ事情Part2
by 佐原天希

はっぱ

主婦のメルトモ事情Part3
by 桜木愛依

佐原天希

発行部数

佐原天希自己紹介
あなたもライターになれる

07 唇が触れ合う瞬間
06 抱きしめられて・・・
05 ドキドキとトキメキの初対面
04 彼の親友に心魅かれて
03 なぜか彼のトモダチと・・・
02 擬似恋愛の始まり
01 新しい別世界の始まり

第6回

抱きしめられて・・・


温かいタカシの手のぬくもりが、頭のてっぺんからつま先まで、身体中にじんわりと広がってゆく。居酒屋までの道は歩いて10分ほどだったが、私にはずっと長く感じ、このまま時が止まってしまえばいいのに、とさえ思えた。

店内へ入り、カウンターに私を挟む形で右側にタカシ、左側にニシ君が座った。まずは中ジョッキで3人で乾杯。お酒やおつまみの話をしながら盛り上がった・・・のはニシくんと私だけで、タカシはその話しを時々うなずいたり、笑ったりしながら聞いているだけだった。
“この人、本当に無口な人なんだ・・・”と、ちょっぴりつまらなく感じながらも、その場の和やかな雰囲気を壊すまいと、私は必要以上にはしゃいだ。

そこへ「おっす!飲んでるかぁ〜!」と少し酔った一人の男性が乱入してきた。どうやらタカシの知り合いらしい。その男性は私の顔を見て、ニヤニヤとタカシに何か耳打ちをしていた。男性がトイレへ入った途端、タカシは慌てて携帯を取り出すとどこかへ電話をし始めた。
「あ、俺。今、ニシと飲んでるところ・・・うん、ニシが新しい彼女に会ってくれってうるさいもんだから・・・。」どうやら奥様へ電話をしている様子。“ニシの新しい彼女”ってもしかして私のこと???タカシが奥様に咄嗟についた嘘が、何だか妙に悲しくて、腹立たしかった。
話している内容からすると、先ほどの男性はタカシと奥様の共通の知人だったようだ。それでその男性にいらぬことを言われる前に、と先手を打ったのだろう。身体を縮めてボソボソと話し込むタカシの姿がとても情けなく思えてきた。

電話を終えたタカシが、「ごめん、ごめん。カ ミさんに出かける時、何も言ってこなかったからさ」と苦笑しながら言った。けれど私の心の中は、さっきまでのドキドキや楽しい気持ちが一気に消沈してしまっていた。何となく気まずい雰囲気のまま、「カラオケでパァーッといこうぜ!」というニシ君の一言で、2次会はカラオケに決まった。

何曲か歌い、ハイテンションで騒ぐうちに、先ほどの気まずさはどこかへ消え去っていった。私とタカシを二人きりにしようと気をきかせたのか、「ちょっとトイレ」と、ニシ君が部屋を出て行った。「天希、さっきはごめん!」突然タカシが頭を下げた。タカシの必死に謝る姿がとても可愛く、愛しく思えた。「もういいよ、気にしてないから。仕方がないじゃん。」笑って私がそう答えた途端、タカシの左腕が私の肩に回り、ギュッと抱きしめられた。

トイレに行ったはずのニシ君はなかなか帰ってはこない。タカシに聞こえてしまうのではないか、と思えるくらい、私の胸はドキドキと高鳴っていた。
アーモンド型のキレイな瞳の中に私が写っている。抱き合ったまま私達はじっと見つめあっていた・・・。

2004.04.01
佐原天希


 

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創刊:2004.01.05
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更新:2011.02.16
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