多重債務からの脱出 -椎原里織-

ネットワークビジネス、付き合い、浮気・・・さまざまな理由で作った「その場しのぎのお金」が膨れに膨れ上がっていつの間にか多重債務に。債務整理現在進行中の多重債務者がお金の明暗をお届けします

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多重債務からの脱出Part2

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非常識を問うならば

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口説き落とすためのテクニック

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Rは私にとって

14

クレジット会社とサラ金のCM

13

詰め

12

最初の攻撃

11

多重債務へのきっかけ

10

誰が為にカード作る?(後編)

9

誰が為にカード作る?(中編)

8

誰が為にカード作る?(前編)

7

正式受理

6

告白〜Xデーにおびえる人たちへ

5

どっちが怖いでショー

4

自分ひとりの問題ではない

3

任意整理−怖いものは何か

2

面接第1回目と取り立て

1

ネットワークビジネス

第4回

自分ひとりの問題ではない


弁護士の顔つきが途端に厳しくなった。
「もう一度聞くけど、どうして親に言えない借金なの?」
「親に内緒で作ったと言うか・・・今まで私は県外にいて、そのときの生活費とか、引越し費用とかそういうもので作った借金なので、自分ひとりで何とかしたいんです。だから親にも兄妹にもこのことは言えないんです」
「でも、親に言わないで自分ひとりで何とかしようとした結果がこれでしょ。親に言って、整理して、今までの生活を改めてって事は考えないの?」

間髪いれずに弁護士は質問を浴びせかける。
友人の顔がだんだんと曇ってゆく。
明らかに「うるせえんだよ」といった表情である。

「これは親にばれる、ばれないの問題じゃないんですよ。わかりますか?」
河野弁護士は友人と私を交互に見ながら続けた。

「整理をした以上、今までのようなことはもうできません。今までは返済で手元のお金がなくなっても、カードを使えばわずかでもお金は借りられた。でもこれからはカードは一切使えません。当然のことながら借り入れもできない」

そうなのだ。
借り入れができないと言うことは、今までの「自転車操業」ができなくなる。
A社を返し、戻った元金を引き出し、B社を返済する。
再度B社のカードをつっこみ、また元金分を引き出し、そのわずかなお金で給料日まで飢えをしのぐ。このサイクルが使えなくなるのだ。 

任意整理は家族や会社にばれることは無い。
絶対とは言い切れないが、ほとんどない。
しかし・・・・

「・・・椎原さんも同じですよ」
 弁護士は今度は私のほうを向いた。
「あなたは同棲している彼氏に言ったといったけど、この先、あなたたちは結婚とか考えていないの?」
「・・・一応」
「結婚すれば、赤ちゃんを作ることになるでしょう?もうあなたも二十代後半なんだから。任意整理をすれば3年ないし4年は返済を続けていかなくちゃならない。赤ちゃんがその間にできてしまったらどうするの?」

こんなこと考えたことも無かった。
いや、結婚は考えていた。
子供だってできるだろう。

「どうするの?」

結婚して、そのあとを「どうするか」考えていなかった。

考えることはいつも返済のことだった。
結婚しても仕事があれば大丈夫。そう思っていた。
しかし今、仕事はあるが、会社の業績が思わしくなく、払わなくてはならないものを払えなくなったから、私はここに来ているんじゃないか。

私は今、独身だ。何かあって責任を負うことになっても、それは私ひとりだ。でも今、もし、ここで。私に子供がいたとしたら?

私が親なら、子供をあらゆるものから守らなくちゃならない。自分の身すら満足に守ることができないのに、子供なんか守れるのか?

「・・・いいですか。二人とも。もう一度よく考えて、親兄弟にこのことを話しなさい。もし、あなたたちが黙ったまま任意整理を進めて何かあった場合、入金が無ければ業者からの電話があるでしょう。そのときに業者の口から、言えなかった借金がばれてしまうのと、あなたの口から聞いておくのとどちらがいいと思いますか?」

「・・・・・」

私たちは黙ったまま、うつむいていた。
返す言葉がが無かった。弁護士は続ける。

「こんな重大なことを話さずにいる。あなたがもしも親や兄弟の立場なら悲しくなりませんか?なぜ話してくれなかったのかと。そんなに信用されてなかったのかと思いませんか?」

私たちは顔を上げることができないまま、その日の相談を終えた。
「親にばれなきゃどうでもいい」はずで踏み切った任意整理。
私たちは重い足取りで事務所を後にした。

―親兄弟の立場なら、そんなにあなたに信用されていなかったのかと、
悲しくなりませんか?― 

友人と別れ、私は家路についた。
なぜかひとりでに涙があふれてくる。
親の顔が浮かんでは消えた。 
父も母も、まさか娘が多重債務者などとは思っていないだろう。

バレナキャ、ナンデモイイ。

だが私が親の立場だったとしたら、子供がこんな思いをしているのに平気でいられるのか?

胸に重い何かがこみあげてきていた。


2004.11.11
椎原里織

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更新:2013.06.06
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