多重債務からの脱出 -椎原里織-

ネットワークビジネス、付き合い、浮気・・・さまざまな理由で作った「その場しのぎのお金」が膨れに膨れ上がっていつの間にか多重債務に。債務整理現在進行中の多重債務者がお金の明暗をお届けします

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多重債務からの脱出Part2

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椎原里織自己紹介

私もライターをやってみたい

多重債務に陥らないために

3

救済機関との連携

2

家族の絆

1

多重債務の兆候

椎原里織の新着コラム

23

勝手な行動?

22

電話帳でアポを取る

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現金を作る方法

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選ばれた優秀者

19

お金の感覚

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2万円の価値

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非常識を問うならば

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口説き落とすためのテクニック

15

Rは私にとって

14

クレジット会社とサラ金のCM

13

詰め

12

最初の攻撃

11

多重債務へのきっかけ

10

誰が為にカード作る?(後編)

9

誰が為にカード作る?(中編)

8

誰が為にカード作る?(前編)

7

正式受理

6

告白〜Xデーにおびえる人たちへ

5

どっちが怖いでショー

4

自分ひとりの問題ではない

3

任意整理−怖いものは何か

2

面接第1回目と取り立て

1

ネットワークビジネス

第8回

誰が為にカード作る?(前編)


 前回も少し触れたが、私と一緒に弁護士事務所に出向いた友人(仮にT子とする)も多重債務者である。

 債務合計はおよそ180万円。これでも減ったほうだと言う。 パートで生計を立てている彼女にとって、この金額は結構な額だ。パートで稼ぎ出すお金は月々約8万円。そこから支払額や生活費をはじきだし、給料は手元に残るばかりか毎月マイナスである。

 私の別の友人は200万円の負債を抱えているが、その子はきちんと会社勤めをしているOLで、給料はもちろん、毎年2回、ちゃんとボーナスももらっている。月給は月々17万円程度。年収にすると単純計算で250万円程だ。私が住む地域では女性が貰う給料としては水準が高いと思う。しかし、彼女も生活はきつきつだ。

 一緒に弁護士事務所に行ったT子の年収は単純計算で100万円ほど。 この少ないパートの給料から支払い分を出したうえ、さらに毎月別件で3万円ほどを送金していた。

 この別件とは彼氏の支払い分である。

 T子と彼氏(仮にBとする)は、付き合いがかなり長い。Bが大学生、T子が専門学生のときに交際がスタートした。もう10年くらいになる。

 Bは大学時代、ゲームセンターでアルバイトをしていた。親からの仕送りももらっており、私が聞いた話ではバイト代と仕送りと合わせて月々25〜30万円ほどが1ヶ月生活するお金だったという。

 Bは大学近くのアパートで生活しており、大学までは車で通学していたようだ。大好きな彼氏と離れたくないT子は、専門学校が休みになる週末にはかならずBのアパートへ通っていた。

 が、人間は一度快楽を覚えると、そこからなかなか脱出できない。

 T子は次第に学校を休み始めた。週末にBのところへ行っても、Bは夜中過ぎまでアルバイトがあり、T子はBのアパートで彼が帰ってくるまで待っていた。ときにはBの仕事場であるゲーセンへ出向き、そこでBが勤務を終えるまで待っていたこともある。勤務が終わってからが二人の時間だ。明け方までゲームをしたり、遊んだり。 こんなことをしていて、朝8時までに学校に行けるはずがなく、T子もBも次第に学校には行かなくなった。

 平日でも家にいて、アパートだと言うのにそれぞれ1匹づつ5万円のフェレットやミニウサギ、果てにはミニチュアダックスフンドを購入。私の彼氏は、このときT子に「フェレット買うのにお金がない。バイトして返すから3万貸してくれ」と言われていたようだが、ことお金に関しては厳しい彼氏である。フェレットを買うなんていうそんな理由でT子にお金は貸さなかったようだ。

 Bは学生だと言うのに180万円の新車を購入。T子もアルバイトを始めたが、熱があるだの、頭が痛いだのでバイトにも行かなくなり、気がついたら辞めていた。

 息子は大学で一生懸命勉強をしていると信じていたBの親は、Bが学校に行かなくなったのも知らずせっせとわが子に仕送りを続けた。 わが子が不自由することなく、勉学に全力を傾けられるようにと、毎月毎月、十数万円仕送りをしていた。

 なおこの額は、実際大学時に一人暮らしをしていたという、会社の同僚に聞いてみたところ、「なにそれ、そんなに貰ってたの!?」と驚いていたので、親が仕送りする額として桁が6桁と言うのは贅沢すぎる額のようである。

 結局T子は学校を卒業できず中退、Bも大学に4年のところ8年通って学校側から退学をやんわり言い渡された。

 学校を辞めてしまったので、親の仕送りがなくなった。 今まで仕送りも入れた額で生活をしていたから、当然足りるわけがない。 車の支払い、アパートの家賃、光熱費、ペットの維持費・・・・ 学生のときの「キリギリス生活」のしわ寄せが一気に来た。

 カードで金を借りてしのいではいたが、贅沢が身に染み付いている彼らには、カードの限度額50万円などは「少なすぎる」額だった。 借金を借金で返し始めるようになっても、生活水準を落とすことはなかった。 欲しい時に欲しい物を買い、お金がなくなれば借金をし、それで生活費をまかなう。

 カード会社は学生にはカードを発行しないと言うが、客が「アルバイトです」といえば、カード会社は学生アルバイトかどうかの確認などしない。 確認するのは、客が本当にその勤務先に在籍しているかどうかである。それに大学に8年も通っていれば年齢にして20歳代後半である。 医学生でもない限り、その年齢で「学生」だと思われることはない。

 返済後、元金が戻ればまた借りる。彼らは次第にキャッシングすることを「ATMでお金をおろす」と言うようになった。

 気がつくと、Bの負債は400万を超え、T子もまた100万円以上の借金を抱えていた。

 結局、家賃滞納でアパートを追い出され、故郷・鹿児島へ戻ることを条件にBの両親が400万円(ほとんどがサラ金だった)を代位弁済し、T子もまた実家へ戻ったが、2年後、周りがとめるのも聞かず、T子はBの後を追って鹿児島で生活を始めた。  T子が故郷を離れる前、「もうあっちでバイト先も見つけたの。だから生活は問題ないよ。わたし、遠距離恋愛ってダメみたい。一緒にいたいの」とこの先の生活に目を輝かせていたのを覚えているが、向こうで生活するまとまったお金どころか、引越しするのにいきなりカードを出す彼女らに、楽しい同棲生活は、マッチ売りの少女がともした炎の夢のようなものに終わってしまった。

2005.01.10
椎原里織

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更新:2013.06.06
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