夏奈子の動物記 by 御厨 夏奈子

夏奈子の動物記
可愛いペットや野生動物、家畜から実験動物など、動物の不思議な生態や動物をとりまく社会事情、話題のアニマルセラピーのことなど、動物との心温まる話や笑える話などを交えておおくりします。

キーワード:自由,根気,短気,やる気,犬好き,旅好き,B型

御厨夏奈子の動物コラム

6 ハムスターのはなし(1)
5 動物霊のはなし
4 実験動物のはなし
3 お年寄りと動物−3−
2 お年寄りと動物−2−
1 お年寄りと動物
0 羊のこと

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創刊:2002.10.15
訪問者数:
更新:2008.11.19
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第1回

お年寄りと動物


「アニマルセラピー」という言葉があります。動物が人を癒す。動物といると、ただ和めるとか楽しいというだけでなく、病気が回復したりリハビリになったりするということが医療の現場で明らかになり、使われはじめた言葉です。

アニマルセラピーときいて何を思い浮かべるでしょうか。その種類はさまざまです。障害のリハビリを乗馬で行う乗馬療法、自閉症の改善のために行われるイルカ療法。広義には、水槽の魚を見て癒されることまで含まれます。

アニマルセラピーは、厳密に言うと「動物介在療法(Animal Assisted Therapy ; AAT)」と「動物介在活動(Animal Assisted Activity; AAA)」に分けられます。前者が医療の専門家が治療目標を定めて医療行為として行うにのに対し、後者はただ単に動物とふれあうことを目標とした活動で、治療の成果が求められることも、必ず医療の専門家がついているということもありません。狭義のアニマルセラピーは、「動物介在療法」だけを指します。 

老人ホームや病院をボランティアが動物を連れて訪ねる活動は、「動物介在活動」にあたります。日本でも、1986年からボランティアとして各種の施設や病院を犬や猫などを連れて訪問し、動物とのふれあいの場を設ける活動(訪問活動)がはじまりました。同じ年に、日本で初めてある特別養護老人ホームで利用者のお年寄りとの交流を目的に動物の飼育がはじまりました。この試みは功を奏し、今、日本各地で動物を飼育する施設が増えつつあります。

日本で初めて動物を飼いはじめた老人ホームに行ったことがあります。そこで、犬と接することができたおかげで病気から奇跡的に回復したというおじいさんに会いました。この方の話は有名で、新聞・雑誌・テレビから取材の依頼が多数あり、ご本人もそういったメディアの取材を通して動物と触れ合うことから広がっていくコミュニケーションの大切さを伝えていました。

このおじいさんは、その老人ホームに来る前は別の施設にいて、そこから移ってきたときにはパーキンソン病を患っておりほとんど寝たきりに近い状態でした。ところが施設の中で飼われていた二匹のシーズ−犬を見て犬との交流を深めるうちに、どんどん回復して元気になり、毎日その二匹の犬の散歩をするようになりました。

わたしが会ったときはとてもお元気で、過去にそんなことがあったとは思えないくらいでした。犬の散歩の他に、朝、施設の周りの掃き掃除をして出勤してくる職員の人たちと会話したり、施設内の放送設備を利用してその日の行事の案内をアナウンスしたり、趣味として語り部をするなどとても活発な方です。

とても明るく、話し好きで、冗談もたくさんいいます。いろんな人と話すことは心の栄養になる、若い人からも情報を吸収して時代の波にのるようにしているとおっしゃっていました。そして犬と一緒にいて何よりいいことは、人とのコミュニケーションも多くなることだそうです。散歩の途中で出会う地域の人、ホームの職員や福祉関係の実習に来る学生、ボランティアの人たち。犬を連れていると、会話する機会がぐんと増えます。

動物を連れてくる訪問活動についても、それを通してボランティアの人たちとお年寄りの交流やボランティア同士の交流から人の輪ができ、良い活動や心がどんどん広がっていく、だから訪問活動は良いことなんだとおっしゃっていました。このように他者とのコミュニケ−ションを大事にし、生きがいだと思える方だからこそ、病気のときは無条件に接してくれる動物の存在がありがたかったのではないかと思います。

今回は、アニマルセラピーの大まかな概念と、施設に動物がいたことで元気になった方の一例を紹介しました。次回はその他の人たちの動物に対する反応と、アニマルセラピーが逆効果になってしまった例を紹介したいと思います。

2002.11.25
御厨夏奈子

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