エンタメギョーカイ事件帖 by あおいさんご

エンタメギョーカイ事件帖

現役クリエイターがテレビや映画、演劇などメディアの現場で見聞きしたことを生々しくリアルに紹介。エンターテイメントに興味ある人だけでなく業界人を目指す人にも幅広く参考になります。真実だからこそ面白い、エンタメギョーカイ事件帖。

キーワード:映画,演劇,テレビ,シナリオ,企画制作,自主映画,俳優,オーディション

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創刊:2003.05.03
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更新:2008.11.20
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第0回

盗作・映画


のっけからダークな話題で恐縮ですが、盗作して世に出た小説が原作として映画化される。そんな、およそ誰のためにもならない事実がまかり通るのが映画界です。

あれは昨年の秋だったと思うのですが、ある取引先から依頼を受けて、映画のメイキングを撮ったわけです。タイトルは出しませんが、Tという小説家の原作モノで、Kという若手監督のメジャーとしては第2作目だったと思います。DVDなどをよく観る方なら周知の通りだと思いますが、念のため説明しておきますと、メイキングというのは、いわゆる現場の記録映像のことで、監督の演出する姿や、俳優たちの待ち時間の様子など、作品を観るだけではわからない裏側の部分を伝えてくれるわけです。

作品だけに金を出すのがもったいないと消費者が思っているのか、これが最近の映画ビジネスには必要不可欠になってきていて、それでオファーが舞い込んだわけですが、メイキング監督も、ただ撮ってりゃいいという気軽な身分じゃなくなった。だからぼくはアレを聞こう、コレを聞こうといろいろ思いめぐらし、インターネットなんかで、原作のことを検索し、インタビューのネタになるんじゃないかとにやにやしていたわけです。

ところが、この原作が盗作だという記事がやたらに多くて、リンクをたどってみると、作者本人も認めているという。映画会社がこのことを知らないわけがなくて、知っていてなお、映画化するという神経はどうなんでしょう。太いのか、はじめからないのかわかりませんが、盗作された方の小説も映画化の話があるというから、ややこしくなってきます。

悩みました。

映画では、企画がかぶる、ということがままあります。時流というものがあるので、どちらもプロである以上、同じ答えを出すことはあり得なくはありません。これは、どちらが先に成立させるか、スピードの問題になります。でも盗作となると話は違い、モラルの問題です。自分はなにも作ってないのに、美味しそうなところだけチョイスして皿に盛り、さも自分がこしらえたかのように客人に差し出す。バイキングじゃないんだから、そんなことは恥さらしもいいところです。それは作家の仕事ではなくて、給仕の仕事です。

そんな給仕の作品を売りにして、映画ができてしまう。映倫は裸と暴力くらいしか規制しないので、あとは公開するだけ。倫理観なんてどこ吹く風です。

それでもこれが宣伝になることもあります。バトルロワイヤルのように、ネガティブな意見が、かえって好結果に結びつくこともある。だから、百歩譲って、これが面白ければまだいいでしょう。ですが、シナリオの段階から、哀しいかな、最高につまらなかったわけです。

さて、こういうモラルも戦略も欠如した映画制作に、まだ夢や希望はあるのでしょうか。雪印や日本ハムのように、原材料を偽って観客を騙しているのに、映画というだけで、なんだか崇高なモノのように思っているんじゃないでしょうか。

映画は娯楽商品である以上、観客に対して責任を負っており、スクリーンで夢をみせるから価値を持ちます。でも盗作作品映画化なんていう泥臭い話には製作者の欲しか見えない。観客不在の映画の価値はゼロです。こんなとき、夢はすでに幻想で、ともすれば悪夢になるでしょう。さっさと目覚めた方が身のためです。

2003.05.03
あおいさんご

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