はたちこらむ -野原かりん-

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since2000.09.01

野原かりん「はたち」・・・が思うところを書いています。静かに見える火口湖も、その地中深くには熱いマグマが躍動しています。揺れては止まりまた揺れる・・胸の鼓動を感じ取ってください

キーワード:女性,人生,哲学,バイト,男性観,恋愛,悪知恵,学校生活,旅行,穏やか系

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野原かりん自己紹介

ライター募集

コラム

13 最終号
12 ショ−ト・ホ-ムスティ
11 失敗
10 高額な授業料
9 食べることが大好きな私
8 文化と歴史の十字路
7 知らない人と
6 誇り
5 節約生活
4 弱くなったお父さんとお母さん
3 やっと起きた私
2 お金の貯め方
1 シブイ男

第10回

高額な授業料


私の海外熱は最高潮に達していた。きっと私の学生生活の中で、最も遠くて最も高額な旅行だろうと思う。スェ−デン、ノルウェ−、デンマ−ク、なんという大自然な響きではなかろうか。これなら高額でも行ってやろう!私は最高にハイだった。

しかし、予想以上に高額だった。北欧旅行で得たものは大自然と異国の世界。解き放ったものは、高額な旅費と授業料だった。美しい山々とフィヨルドに目がくらんでいる旅行3日目にその授業料が発生した。スリにあってしまったのである・・・・・!!今日はどんな大きなものを体に感じるのだろうか、期待にわくわくして山岳列車を待っている駅で、多分その駅だと思うが、財布ごと盗まれたのである。それに気づいたのは列車の中で、きれいな景色を撮ろうとカメラをかばんから出したときだった。財布の入っていたスペ−スだけ、ぽっかり空いていたのである・・・。日本では考えられない巧みな手口で人のかばんを開けて、さらに手まで伸ばしたのである。

財布の中身は現金5万にクレジットカ−ド、キャッシュカ−ド、免許証、学生証など大事なものの勢ぞろいだった。パニックに陥ったが、なんせ50人くらいのツア−だったため、大声で騒いで人々の注目の的にはなりたくない。こそこそ添乗員さんに言いにいったが、やはり、こういうものは一気に広まってしまうのであった。人々の同情、憐れみの声に巻かれながら添乗員さんの指示を仰いだが、結局私は厄介なツア−客だった。

涙ちょちょぎれるかとも思ったが、そこで、悲しんでいては旅行自体が台無しではないか。せっかく来たんだから、何かを自分の体に吸収して帰りたい。大自然に囲まれながらの一文なしの旅行だった。しかし、カネを払わなくても滝はゴ−ゴ−流れているし、山は雄大なのである。そして、私の体にはその音や風がしっかりと流れた。

授業料5万円、その内訳は、「外国は日本ではない」ことと、「人々は私ではない」こと、「誰も助けてくれないときのために英語が話せたらいい」という当たり前すぎて、笑ってしまいそうなことを学ぶためのことだった。人間は学習していかなくてはならない。痛い目にあえば誰でも学習できるだろう。私は今回ヨ−ロッパの大自然に囲まれて多大な学習も果たしてきたのである。

2000.11.05
野原かりん

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