はたちこらむ -野原かりん-

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since2000.09.01

野原かりん「はたち」・・・が思うところを書いています。静かに見える火口湖も、その地中深くには熱いマグマが躍動しています。揺れては止まりまた揺れる・・胸の鼓動を感じ取ってください

キーワード:女性,人生,哲学,バイト,男性観,恋愛,悪知恵,学校生活,旅行,穏やか系

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野原かりん自己紹介

ライター募集

コラム

13 最終号
12 ショ−ト・ホ-ムスティ
11 失敗
10 高額な授業料
9 食べることが大好きな私
8 文化と歴史の十字路
7 知らない人と
6 誇り
5 節約生活
4 弱くなったお父さんとお母さん
3 やっと起きた私
2 お金の貯め方
1 シブイ男

第11回

失敗


大好きな人がいた。彼とはメ−ルで知り合い、メ−ルの彼に私は恋をした。メ−ルの彼は私の弱いところを、私が求めるところをいつも励ましてくれ、元気づけてくれた。自分が弱いところは自分でもなんとなくしかわかっていないのだが、あれだけ私に安らぎを与えてくれたということはきっと弱いところを補ってくれていたのだと思う。

思い切って会った。ちょうど一年前だった。しかし、思いがけないことに、彼にとって私は遊びだったんだと思えるふしがあった。あれだけ信用していたのだから裏切られた気持ちはすごく大きかった。自分でもびっくりするくらいに。もう会わないと彼に告げた。何か言ってほしかったのに、何も言ってくれなかった。

「誤解するなよ」と言ってほしかったのに、なんにも言ってくれなかった。音沙汰はもう何もなくなった。毎日泣いた。家で、ひとりっきりで、誰にも言えずに孤独に泣いた。彼の連絡をひたすら待っても来なくて泣いた。そのうち疲れきって泣かなくなった。でもずっとひっかかっていた。彼に補っていてもらっていた弱い部分がまた出てきて、でもどうすればいいのかわからずに空虚な気分でむりやりがむしゃらに前を見ようと努力した。

彼は上昇志向でプライドが高いところがあった。時々、それは違うやろと思っていたが、なぜか私は彼が好きだった。精神的にダメ−ジを受けやすいのに、疲れきった顔をよく見せるのに、高い地位を築きたいと思っているところ、本当は少年のように可愛げがあって弱いところもあるのに、それを人に見せまいとして振舞うところ、ちらほら遊んでいるように見えて本当は仕事に追いつぶされてしまって息抜きすることができない不器用なところ。それでも、何か自分を証明するためのブランドを手にいれようとしているところ。つまり自分に対する自信が欠けているため、それを必死に見つけようとしているところ。

それは私とよく似ていた。私は彼を見ていて自分と似ていると思うと同時に、彼が弱くて辛い思いをよくしているということがすごくよくわかったから彼の心を抱きしめていたかった。そして彼のメ−ルは私の心を抱きしめてくれていたのだとつくづく思う。だから私は彼に安らぎを覚え安心感があったのだと思う。

一年ぶりに私は彼に連絡をとり、会うことになった。なのに、失敗してしまった。今回は全部私の失敗だ。

どうして、今度こそはと思っていたのに、また失敗してしまったのだろう。私が素直になればいいだけの話なのに、どうしてプライドが高かったのだろう。自分に対する自信がないから、プライドばかりが高くなった。自分に対する自信がかけらでもあれば、そしてプライドなんか脱ぎ捨てて素直にさえなれていたら、私は再度訪れた貴重なチャンスを、もしかしたら逃さずにすんだのかもしれない・・・・。

2000.11.12
野原かりん

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