サクラジロウことだま放浪記

全ての答えはことわざの中のある。真理は名言のなかにある。長い時代を生き抜いた言葉には何か不思議な力があるのです。1つのことわざに1つのエピソード。不思議主人公サクラジロウが織りなす言霊の真実。

サクラジロウ

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サクラジロウ自己紹介

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サクラジロウ
ことだま放浪記

19 終わりを始めに慎む
18 良い内から養生
17 不幸は決して単独ではこない
16 灯台下暗し
15 人は見かけによらぬもの
14 恋は思案の外
13 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
12 盆を戴きて天を望む
11 年寄りの言う事と牛の鞦(しりがい)は外れない
10 上戸は毒を知らず 下戸は薬を知らず
9 すずめ百まで踊り忘れず
8 禍福はあざなえる縄のごとし(後編)
7 禍福はあざなえる縄のごとし(前編)
6 年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず
5 人間万事、塞翁が馬
4 春眠 暁を覚えず
3 焼け野のキギス夜の鶴

2

虎口を逃れて、竜穴に入る

1

袖すり合うも他生の縁

0

己の欲せざる所は、人に施すことなかれ

第4回

春眠 暁を覚えず


 呼び鈴が心地良い眠りを妨げた。
サクラジロウの寝起きはまったりとしている。
あからさまな言い方をすると寝起きが悪い。
時計を見ると、朝7時。こんな時間に来客の予定はないはずだ・・・

 蒲団を頭からすっぽりかぶり、再び眠りに突入する万全の体勢を整える。
雀がチュンチュン鳴いていた。
 まどろむ、サクラジロウの頭の上で呼び鈴が再び鳴り続けていた。

 そういえば、昨日の朝方も来客が会った。
ドアを開けるとベージュのコートに白い手袋をしたおばちゃんが立っていた。
手には聖書。訪問布教だとすぐに分かった。

『もしストーカーが現れた場合、悲鳴をだしたり、露骨に嫌がったりしてははいけません』

 サクラジロウは昔読んだ【ストーカー撃退マニュアル】の一節を思い出していた。
白い手袋のおばちゃんはストーカーではないが、サクラジロウは露骨に嫌がったりせず、家に招き入れ、お茶を出した。
 おばちゃんは当たり前のように家にあがりこみ、お茶を飲んだ。
サクラジロウのよみはみごとにはずれた。

 やはり【ストーカー撃退マニュアル】はストーカーにしか通じないみたいだ
った。
朝モヤに有明の月がぽかんと浮いていた。

 夜にも来客があった。新聞勧誘でも訪問販売でも訪問布教でもなかった。
おずおずと刈り上げの青い若い男がドアの前にたっていた。
話を聞くと、鹿児島から、引っ越したばかりで挨拶をしにきたということだった。
 しかし刈り上げの男は挨拶が終ってもナカナカその場を去ろうとはしい。
モジモジしている。

 サクラジロウはその刈り上げ男に悪気はなかったのだが、もう一度【ストーカー撃退マニュアル】を試してみたくなった。
 
 5分後―、サクラジロウはその刈り上げ男と一緒にお茶を飲みながら、テレビでF1を見ていた。
 話しているうちに、その刈り上げ男は初めての一人暮らしで不安みたいだという事がわかった。
 鹿児島から引っ越してきたこと。彼女を地元に残してきたこと。
引っ越してきてから、誰とも会話をしてないこと。
高校の時サッカー部で補欠だったこと。高校時代から刈り上げていたこと・・・
とめどもなく刈り上げ男は話し続ける。

 『火山灰は降らないけど、ここは寒すぎる・・・』

 肥沃な南の大地で育まれた、その青年のひまわりのような心には、日の差さないコンクリートのマンションは寒すぎたのだろう。

 サクラジロウは次の日、朝7時に起きなければならなかった。
もう少し話を聞いてあげたかったが、睡魔がそれを許さなかった。
 刈り上げ男は、『お礼に明日の朝7時にお越しにきますよ!』と言い深夜の2時に帰っていった。

 カーテンからこもれる朝のあたたかな光につつまれて、再び眠りに就こうとするサクラジロウの頭の上で呼び鈴が必死に鳴り続けていた。

教訓―『春眠 暁を覚えず』
(春の夜は暑くも寒くもなく、寝心地がいいので、夜が明けたのも気付かないほど熟睡してしまい、なかなか目が覚めないということです)

多謝

2002.05.02

サクラジロウ


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創刊:2002.03.01
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更新:2013.06.06
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