サクラジロウことだま放浪記

全ての答えはことわざの中のある。真理は名言のなかにある。長い時代を生き抜いた言葉には何か不思議な力があるのです。1つのことわざに1つのエピソード。不思議主人公サクラジロウが織りなす言霊の真実。

サクラジロウ

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サクラジロウ自己紹介

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サクラジロウ
ことだま放浪記

19 終わりを始めに慎む
18 良い内から養生
17 不幸は決して単独ではこない
16 灯台下暗し
15 人は見かけによらぬもの
14 恋は思案の外
13 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
12 盆を戴きて天を望む
11 年寄りの言う事と牛の鞦(しりがい)は外れない
10 上戸は毒を知らず 下戸は薬を知らず
9 すずめ百まで踊り忘れず
8 禍福はあざなえる縄のごとし(後編)
7 禍福はあざなえる縄のごとし(前編)
6 年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず
5 人間万事、塞翁が馬
4 春眠 暁を覚えず
3 焼け野のキギス夜の鶴

2

虎口を逃れて、竜穴に入る

1

袖すり合うも他生の縁

0

己の欲せざる所は、人に施すことなかれ

第6回

年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず


 1603年―徳川家康によって開かれた江戸幕府は、その後隆盛を極める。しかし栄華必衰、1868年7月―明治維新によって長い歴史に幕を閉じ、その名は江戸より東京へと変わる。

 1999年―サクラジロウは東京に住んでいた。

 ワンルームマンション、築八年。キッチン、ユニットバス、冷暖房完備、快適そのものだ。
 ただ一つ問題がある―給湯器の調子が悪いのだ。

 シャワーを浴びていると突然、快適なお湯から冷水に変わる。
それはいつも決まってシャンプーの泡立ちがピークの時にやってくる。
 冷たいので水のバルブをしぼり、シャワーの温度を調節する。
すると今度は突然、熱湯がサクラジロウを襲う。
助けをよぼうにもサクラジロウは一人暮らしだ。慌ててお湯をとめようとする。間違って、水洗便所の取っ手を回したりする。水洗便所の流れる音が悲しくバスルームに響きわたる。

 そして結局は諦め、冷水で体を洗うことになる。疲労をとるための風呂で疲労することになる。
サクラジロウは東京で学んだ。
「ピンチは最悪のタイミングでやってくる」

 という訳で、必然的によく銭湯に行く。
休日の日など、朝から銭湯に行く。いわゆる朝シャンだ。
 朝の銭湯は人も少なく心地良い。客も常連さんが多いのでお湯もきちんと熱く、湯船もきれいだ。
 銭湯の横にはコインランドリーが設置されており、銭湯で体を洗っている間に服も洗える。
 銭湯は一人暮らしに優しい。

 サクラジロウは銭湯で番頭に颯爽と勘定を払う。ちなみに前の文章は韻をふんでいる。
 で、銭湯である。銭湯は今ではもう少なくなった、公共の場である。
時代が変わろうともその事実に変わりはない。ただ客層が変わってしまったのだろう。今はマナーをうるさく言う人もいないし、客層も老若男女、外国人までいるので、そこには暗黙の掟も公衆道徳もなくなってしまった。

 特に夜の銭湯は、まるで朝の顔とは変わってくる。
客が多くなり、若い人、親子、外国人などバラエティーな顔ぶれになる。

 湯船は水でうめられ、子供は奇声を発し、外国人は洗い場で洗濯を始め、湯桶は散乱し、地獄絵図と化す。

 この時間帯にうっかり行ってしまうと、サクラジロウの大好きな「立ったまま入れるジェットバス」は子供たちに占領されてしまう。
 しょうがなく普通の風呂に入る。
 サウナでは人知れず忍耐や我慢という言葉を、寡黙な背中に秘めた男たちの静かな闘いが繰り広げられている。
 「立ったまま入れるジェットバス」では子供たちが、シンクロナイズドスイミングを始める。
 外国人は洗濯が終わり、タオルかけに洗った服を干し始める。


 それを見ていた常連の老人が『ここも居心地がわるくなっちまったねぇ―』
と目を細めながら呟く。
 時代は日々ゆっくりと変化しており、それを改めて感じ取ることは難しい。
長い間、この銭湯を見続けてきたその老人は、灼熱地獄にひっそりと咲く一輪の百合の花のようたたずんでいた。


教訓―『年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず』
(毎年毎年、春はめぐって来て花は同じように咲くがその花を見る人は毎年毎年同じ人ではない。人の世のはかなさをうたったうたです)

多謝

2002.05.30

サクラジロウ


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更新:2013.06.06
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