サクラジロウことだま放浪記

全ての答えはことわざの中のある。真理は名言のなかにある。長い時代を生き抜いた言葉には何か不思議な力があるのです。1つのことわざに1つのエピソード。不思議主人公サクラジロウが織りなす言霊の真実。

サクラジロウ

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サクラジロウ自己紹介

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サクラジロウ
ことだま放浪記

19 終わりを始めに慎む
18 良い内から養生
17 不幸は決して単独ではこない
16 灯台下暗し
15 人は見かけによらぬもの
14 恋は思案の外
13 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
12 盆を戴きて天を望む
11 年寄りの言う事と牛の鞦(しりがい)は外れない
10 上戸は毒を知らず 下戸は薬を知らず
9 すずめ百まで踊り忘れず
8 禍福はあざなえる縄のごとし(後編)
7 禍福はあざなえる縄のごとし(前編)
6 年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず
5 人間万事、塞翁が馬
4 春眠 暁を覚えず
3 焼け野のキギス夜の鶴

2

虎口を逃れて、竜穴に入る

1

袖すり合うも他生の縁

0

己の欲せざる所は、人に施すことなかれ

第12回

盆を戴きて天を望む


 夏も終わりに近づくと、その名残惜しさを紛らわすように各地で祭りがひらかれる。

 花火もない神輿もない、小さな町の小さな祭り。

 露店も運営も設営も全て町民で賄っている。
 わたがし、かき氷、焼きそば、ビール、ジュース、みんな100円均一。
 はなから儲けなど考えていない。
 サクラジロウはそこでわたがしを作っていた。

 小さな祭りだが、コレといってイベントが無いからだろうか、露店はかなりの繁盛で、腱鞘炎になるほど忙しい。
 売り場の前には常に長蛇の列。
 わたがしをつくるその手元に注がれる子供たちの熱視線。
 まるで魔法でも見るようにきらきらとしている。

スタッフは皆ボランティアで、その代わりに露店で売っているモノは何でも、どれもただで食べられる。
 
 忙しさの間隙をぬって、サクラジロウは焼きそばを食い、ビールを飲み、わたがしを作り、フランクフルトを食い、ビールをあおり、わたがしを作り、かき氷を食い、ビールを飲む。

  広場の前の黄色い点滅信号の上に、十六夜の月がのぞいている。
 空の下でご飯を食べると、季節を肌で感じることが出来る。
 コスモスが申し訳なさそうにちょっとだけ咲いている。
 
 そんな風流な景色を眺めていると突然、便意が押し寄せてきた。
 原因は明確だった。
 すべてがタダという言葉に条件反射し、許容量以上の牛飲乱食。
 熱いものと冷たいものを交互に食べるという、いかにもお腹に悪そうな食べ合わせ。

 
 便意は激しくなる。
 わたがし売り場の行列は途切れない。
(子供たちのために、わたがしをつくる手は休めない!)
という決意は、水洗便所に流れるトイレットペーパーのごとく、いとも簡単に消えてなくなった。
 一カ所しかないトイレを見ると、その前にも長蛇の列。

 家に帰り着くまで耐えられそうもない。
 というか一歩でも動いたら発射しそうだ。
 子供たちの、わたがしを待つ無邪気な視線。
その視線を背に受けサクラジロウは走った。
いや、走ると危険なので競歩した。
 
 余談を許さない状況。
 津波のごとく押し寄せる便意。
 行く手をさえぎる人なみ。
 トイレは目の前。
 ふと、昔近所の公園で見た、一輪のバラがそえてある野グソがフラッシュバックした。

 結果から言うとゴール前で力つきた。
 リアルに書くとウンコが出た。

 空を見上げると満天の星が瞬いていた。

教訓―『盆を戴きて天を望む』
(頭に盆をのせれば天を見る事が出来ず、天を望むためには頭に盆をのせられない。同時に二つの事はおこなえないというたとえです)

多謝

2002.08.23

サクラジロウ


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創刊:2002.03.01
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更新:2013.06.06
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