サクラジロウことだま放浪記

全ての答えはことわざの中のある。真理は名言のなかにある。長い時代を生き抜いた言葉には何か不思議な力があるのです。1つのことわざに1つのエピソード。不思議主人公サクラジロウが織りなす言霊の真実。

サクラジロウ

発行部数

サクラジロウ自己紹介

あなたもライターになれる

 

サクラジロウ
ことだま放浪記

19 終わりを始めに慎む
18 良い内から養生
17 不幸は決して単独ではこない
16 灯台下暗し
15 人は見かけによらぬもの
14 恋は思案の外
13 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
12 盆を戴きて天を望む
11 年寄りの言う事と牛の鞦(しりがい)は外れない
10 上戸は毒を知らず 下戸は薬を知らず
9 すずめ百まで踊り忘れず
8 禍福はあざなえる縄のごとし(後編)
7 禍福はあざなえる縄のごとし(前編)
6 年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず
5 人間万事、塞翁が馬
4 春眠 暁を覚えず
3 焼け野のキギス夜の鶴

2

虎口を逃れて、竜穴に入る

1

袖すり合うも他生の縁

0

己の欲せざる所は、人に施すことなかれ

第13回

人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し


 「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」
徳川家康の遺訓である。
 サクラジロウは坂道で自動車を押していた。
徳川家康の言葉を、実際身をもって体験しようと思っての事ではない。

 話は30分前にさかのぼる―。

 「夕暮れの散歩が心地好い季節になりました―」
とニュースキャスターがテレビの中で言っていた。
 さっそく夕暮れを見計らって散歩にでてみた。
汗だくになった。
 全国ニュースは東京を基準にしていることを忘れていた。
九州での心地好い散歩は、まだほど遠い。

 サクラジロウは自分の勇み足に気付き500メートルも散歩しないうちに帰路につこうとした。

『おにーちゃん、自動車が脱輪したから手伝って』
おばちゃん三人衆に唐突に呼びとめられた。
なるほど、見てみると坂道で車の後輪の片一方が落っこちている。
 坂の横は土手。
このまま前輪まで落ちたら、コロリと車が一回転しそうだ。

という経緯を経て、坂道で車を押すこととなった。

サクラジロウはおばちゃん三人と力を合わせ、車を押して坂の上に車を戻そうとした。
 一人が運転席に乗り込み、前進させようとし、三人が後ろから押す。
 しかし、車の重みでどんどん下がってくる。
 後ろで押していると危険だ。
 そこで前のバンパーに縄をかけひっぱりあげようとする、
だがこの方法も車の重みであえなく失敗した。

 あれやこれやと試しているうちに、車はどんどんずり下がっていき、いつのまにかもう前輪も落ちるギリギリのところまできていた。
 
 もう、打つ手が思いつかない。
 サクラジロウとおばちゃん三人は途方にくれる。

『はよぉーメシばつくらんか!』
とつぜん、ステテコ姿のおっさんが現れた。
どうやら、おばちゃん三人衆の誰かの旦那らしい。
ごはんを待ちきらず、迎えに来たのだろう。

『車が脱輪して動かんのよ』
『なんばしとっとか』
ちょっとした痴話げんかのあと、ステテコおっさんは、
自動車の下を覗き見て、そして、颯爽と運転席に乗り込んだ。

『車から離れろ』
と言い放つと、いきなり車をバックさせ土手に対し垂直になるよう下がっていった。
 30分もかけてサクラジロウとおばちゃんがてこずっていたものを、あっという間に解決してしまった。

『やっぱり、男の人はちがうわね〜』
一人のおばちゃんが言う。
サクラジロウは居所無く、夕日を見つめる。

『帰るぞ』
土手を回って車で上がってきたステテコおっさんと、
三人のおばちゃんは去っていった。

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し」
徳川家康の遺訓だ。

 サクラジロウもおばちゃんも坂の上に車を上げなければいけないと思い込んでいた。
 ステテコおっさんはまったく違った形で、それを解決した。

 おっさんの寡黙な背中が
「長い人生、時には重荷を降ろしても良いのだよ」
と言っているようだった。

 実はこの徳川家康の言葉には続きがある。
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し。
急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし」

 天下を統一するのは、計り知れない道のりだと思う。
しかし、ステテコおっさんの行動で示した「重かったら、降ろしたらいい」
というのも一つの道だと思う。

教訓―『人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し』
(人間の一生は苦しく長く、責任も重いもので、忍耐と努力を重ねて一歩一歩進まなければならないという教えです)

多謝

2002.09.05

サクラジロウ


スポンサード リンク

サクラジロウことだま放浪記


 

たまごや

オススメ読み物系

チョコレートカクテル

かっとびモデルの私生活

読むドラマ

現代メロンパン考

すーぱー添乗員がゆく

雑文の女王

オススメお役立ち系

知って得する労働法

週刊マナー美人

常識ぽてち

女性のためのクルマ読本

週刊節税美人

四柱推命による人生相談

お店で買うにはちと恥ずかしい


創刊:2002.03.01
訪問者数:
更新:2013.06.06
デジタルたまごやトップ