サクラジロウことだま放浪記

全ての答えはことわざの中のある。真理は名言のなかにある。長い時代を生き抜いた言葉には何か不思議な力があるのです。1つのことわざに1つのエピソード。不思議主人公サクラジロウが織りなす言霊の真実。

サクラジロウ

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サクラジロウ自己紹介

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サクラジロウ
ことだま放浪記

19 終わりを始めに慎む
18 良い内から養生
17 不幸は決して単独ではこない
16 灯台下暗し
15 人は見かけによらぬもの
14 恋は思案の外
13 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
12 盆を戴きて天を望む
11 年寄りの言う事と牛の鞦(しりがい)は外れない
10 上戸は毒を知らず 下戸は薬を知らず
9 すずめ百まで踊り忘れず
8 禍福はあざなえる縄のごとし(後編)
7 禍福はあざなえる縄のごとし(前編)
6 年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず
5 人間万事、塞翁が馬
4 春眠 暁を覚えず
3 焼け野のキギス夜の鶴

2

虎口を逃れて、竜穴に入る

1

袖すり合うも他生の縁

0

己の欲せざる所は、人に施すことなかれ

第16回

灯台下暗し


【天然】− 人の手の加わらない、自然のままの状態。
【パーマ】−頭髪を電気や化学薬品でちぢらせること。
 
 サクラジロウは天然パーマだった。
 小さな頃は、近所の女の子もうらやむくらいのキューティクルでサラサラヘアーだった。
 中学生まで坊主頭だったので気づかなかったのだが、高校の時、髪を伸ばすとパーマがかかっていた。
 
 床屋の店主いわく、成長期のホルモンの関係で突然変異的に天然パーマになる人は結構多いらしい。
 事実、天然パーマの人に聞いてみると『子供のころはサラサラへアーだった』という人が多い。
 
 天然パーマの利点として、高校の時など禁止されていたパーマをかけてもばれない。突風が吹いても髪型は乱れない。
整髪料をつけなくてもオールバックができる。
 頭を殴打されたとき、クッションの役割をはたしショックをやわらげることができる―たぶん。

 逆に、面倒なのが必ずと言っていいほど、床屋に行くと『くせ毛ですね〜』とか『ちょっとウェイビーですね』などと言われる。
 天パの人間で『くせ毛ですね〜』と言われて、喜ぶ人は、まずいないであろう。
 そんなことは当の本人が一番わかっている。

 天パの人間が自分の天パを必ずしもコンプレックスに思っているわけではないが、間違いなくチャームポイントとは思っていないだろう。
 それを言われて天パの人間はなんと答えれば良いのか―。
『ええ、いつもより余計にまいております』
とでも答えれば良いのか。

 そんなサクラジロウにとって
『天然パーマの人がパーマをかけたらどうなるのだろう』
というのは10年来の疑問であった。
 死ぬまでに1度は通らなければならない道だと密かに心にひめていた。

 その機会はハワイでおとずれた。
 ハワイの陽気がサクラジロウを開放的な気分にさせたのか、お祭り好きの血がそうさせたのか―
 友人の結婚式でハワイを訪れたサクラジロウの脳裏に天啓のごとく『パーマをかけるならハワイだ!今しかない!』とひらめいた。
『芸能人ハワイで出産!』という、日本をたつ前に見た新聞見出しが頭に残っていたのかも知れない。
  
 思い立ったが吉日、サクラジロウは早速、ハワイで床屋をさがしパーマをかけた。
 九州の男は元来、顔が濃い。それに加えてハワイの日光にさらされ濃い顔が、濃いを通り越しドス黒いにパワーアップしていた。
 ドス黒い顔の上に、天然と人工のパーマ。
『成功だ!』サクラジロウはハワイアンブルーの空を見上げる。
 
 天然パーマの人間は普通の髪質の人間に比べて、
髪型のレパートリーが少ない。
 少ないと言うか、伸ばすか短くするぐらいしかない。
髪を伸ばし始めて約10年、ついに新しいレパートリーができたのだ。
これを成功と言わずしてなんと言おう。
 ダイアモンドヘッドが優しく微笑んでいるように見える。

 結婚式帰りにスーツをきていたからだろうか、ホテルで見知らぬ人に荷物を預けられ『部屋に運んでおいてくれる』とチップをわたされた。
 現地のベルボーイと間違われたのだろうか。
ハワイアンに間違えられたのだ・・・そういえばハワイ出身の力士、曙はかなりの天然パーマだ。

 パーマの効果は抜群のようだと思われた。
日本に帰り着くまでは・・・
 
 日本では誰もサクラジロウのパーマに気づいてくれなかった。
 友達もご近所さんも、さらには両親でさえも・・・

 原因はすぐにわかった。うすうす、そうじゃないかとは思っていた。
 思うに『卵かけご飯にさらに卵をかけた』状態なのだろう。
かけた本人は2倍になっていることがわかっているが、端から見たらただの卵かけご飯・・・
 パーマは二倍になっているのだが、いつもの天然パーマ。

 こうしてサクラジロウの一生で一度のパーマは人知れず歴史の闇に静かに埋もれていった。

灯台もと暗しというが灯台の上はもっと暗い。

教訓―『灯台下暗し』
(身近な事には、案外気付かないし、わからないものであるというたとえ)

多謝

2002.10.19

サクラジロウ


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更新:2013.06.06
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