私が出逢った男たち -乾 京子-

今まで多くの男性に出逢った。学校、合コン、バイト、ネット・・。友達として10年以上仲良くしている人、すぐ別れてしまった人、恋人だった人。過去の男たちついて様々な角度から赤裸々に、時に淡々と綴ります。

私が出逢った男たち

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by 乾京子
私が出逢った男たちPart2
by 卯月あみか
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34 けんじ
33 後藤さん
32 ゆう
31 しんご
30 早稲田くん
29 キョースケ
28 糸井さん
27 スーさん
26 じゃんぼ
25 だいちゃん
24 セク原田
23 新保くん
22 キクちゃん
21 りき
20 竜ちゃん
19 クニヒロ
18 たけ
17 ダン
16 ひとし
15 ○ヤマ・○ョウ
14 社長
13 たかしさん
12 神様・其の2
11 いけや
10 しゅう
09 トモ
08 ゆうじ・其の2
07 ゆうじ
06 トシ
05 神様
04 モーミン
03 アツオ
02 バンビ
01 ダイスケ
00 きのっぴ

第22回

キクちゃん


10代の終わり頃、友達に男の子を紹介してもらった事がある。
その友達自体はあまり格好良くないので、期待はしていなかった。
しかし会った途端、私は何も喋れなくなってしまったのだ。
そう、あまりにも格好良すぎて。
ジャニーズ事務所の某人気タレントにそっくりだったのである。
決してこれは過言ではない。

電話番号も交換せず、その日は殆ど喋らず別れた。
『また遊べたらいいなぁ』などと思いつつ。

翌々日、紹介してくれた友達が私を呼び出し、手紙の様な物を渡した。
きょとんとしていると友達は「キクちゃんから預かったんだけど」と言った。
『キクちゃん』とは、その格好良い彼の事である。
「絶対読むなって言われたんだけど、俺読んじゃってさぁ・・・」
そういう馬鹿正直な友達なのである。
黙っていればバレない事なのに。
だから今でもその友達と付き合いがあるのかもしれないが。

私はその手紙を受け取り、読んでみた。
ラブレターであった。
しかも長々と。何が書いてあったか今ではもう覚えていないが。
本当に信じられず、友達に「からかってるんでしょ?」と聞いたくらいだ。
友達は
「いや、本当キクちゃんとは小学校からの付き合いだけど、こんなの初めてで・・・」
どうやら友達も戸惑っているらしい。
「返事ちゃんと書けよ。あんな照れ臭そうなキクちゃん、俺初めて見たよ」
私は黙って頷き、そそくさと家へ帰った。

翌日その友達を呼び出し、
友達が読めない様しっかりと糊付けし、キクちゃんへ渡す様に頼んだ。
勿論交際OKの返事である。
お互い住所も電話番号も知らなかったから、どうしても間に友達が入ってしまう。
私の書いた手紙にはしっかり電話番号を書き、連絡を待った。

3日程して、キクちゃんから電話があった。
デートの誘いである。
今度の金曜日に動物園へ行こうという事、
そして待ち合わせ時間・場所だけ決めるという、とても短い電話だった。

それから私達の付き合いは続いた。
が、いつまで経っても会話ができないのである。
常に緊張しっぱなしなのだ。
おまけに彼も無口な人だったので、本当に必要事項しか話さないのである。
今考えると彼は彼なりに緊張していたのかもしれないが。
友達の前だと結構饒舌になっていたので、その可能性はある。

1年半程付き合いが続くと、私もある程度話せる様になった。
本来の私らしくなってきて、自分では満足だった。

2年ちょっと経ったある日、私はいきなり振られてしまった。
『好きかどうかわからなくなった』とのことだった。
私は泣きながら家へ帰った。

母は「もう自分から連絡しちゃ駄目よ」と言った。
それを忠実に守り、それから一切連絡はしなかったし、彼からの連絡もなかった。

あれから6〜7年経っただろうか。
その頃キクちゃんと私とよく遊んでいた男の子が亡くなった。
当時キクちゃんを紹介してくれた友達から連絡が入ったのだ。

気まずい気持ちもあったが、取り敢えずお通夜には出席した。
案の定そこにキクちゃんは居た。
「久し振り」と声を掛けると、彼は嬉しそうな顔をし、
当時の事や今の事について話が尽きる事はなかった。
私も何の緊張もなくペラペラと喋り、彼への未練がすっかり消えていた事に気付いた。

あの頃の純情だった私が懐かしい。
今はすっかりスレてしまったのかもしれない。


2003.03.18

乾京子


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更新:2011.02.16
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