私が出逢った男たち3 -緑川すずめ-

出逢いは偶然のように訪れるけれど、振り返ってみるとそれも運命かもしれないと感じる事があります。日本人。アジア人。白人。黒人。過去に出逢った印象的な男たちを日本のオンナ「緑川すずめ」が語ります。

私が出逢った男たち

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私が出逢った男たちPart3
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04 トニー*前編*
03 ジョージ *後編*
02 ジョージ *前編*
01 こういち

第2回

ジョージ *前編*


ジョージと言うカナダ人に初めて会った時、当時人気のブラッドピッドに似ていてカッコイイと思った。眉に輪っかのピアスをしていたので、痛くないの?と聞いたら、乳首にもしていてるよ、気持ちいー。と、気持ちいーのところが日本語で返ってきた。たくさんの日本人の女の子と遊んでそうな感じ。危険そうだからなるべく近づかないように、それでも目は追ってしまう、最初はそんな状況だった。

カナダ人の中にも主に日本人と交流を好む人達がいて、彼らは毎週の様に飲み会を開き、そこに日本人に友好的なカナダ人やカナダ人と仲良くなりたい日本人が集まる。毎週末にバーでビールを飲む会があって私もジョージも良くその飲み会で一緒になった。

集合はいつも決まったパブで、ビールをピッチャーで、料理はフライぐらいしか注文しない。カクテルも何種類かあったけど、私は個別に注文できるほど英語力がなかったしわざわざ人に頼むほどでもなかったので、みんなに合わせてビールを飲んだ。酔えば少しは英語も流暢になる気がするし、周りの雰囲気に飲まれないよう、何杯も何杯もひたすらビールを飲み続ける。お酒が入って気が大きくなった時は、ジョージと目が合っても、そらしたりせずに楽しく話す事が出来た。彼の日本語は片言で当時の私の英語は相当ひどかったので、会話らしい会話にはなっていなかったと思うが、それでもアルコールの力で私達の距離は急に近づいた。

誰かの事が気になりだす、その人との仲がぐっと近づく、楽しい状態ではあったけれど、恋愛とは少し違った。私はその時付き合っている人も居なかったけれど、ジョージと恋人同士になりたいとは思わなかった。初めての土地で浮かれていてまだ誰かと真剣に付き合えるような状態ではなかったからかもしれないが、どちらかと言うと、相手がジョージだったからと言う理由の方が大きいと思う。

彼は知ってる人からも知らない人からも“遊び人“と噂されるほどふらふらしたイメージが付きまとう人だった。彼の性格はどうかと言うと、ちょっと短気で面倒になると黙る、話が真面目になってくると冗談ではぐらかす、そんな調子なので友達としてはいいが、恋人となると殆どの女の子から敬遠されていた。私はそれ故に少し迷っていた。彼の内面は分かりにくく、噂通りの人なのかどうか。私が彼の誘いを断ると、ふてくされる。それはセックスが出来ないからと言うプレイボーイの顔と言うより、相手にされなくて傷ついている子供のような態度だった。

ある日、飲み会の前に私と彼は他の友達も含めて野球の観戦に出かけた。どんなチームか良く覚えていない。どこかの郊外の野外球場のベンチに座り、寒かったのでジョージと二人で一枚のブランケットをかぶって、ビールやチップスを食べながら試合を観た。試合が後半になってくると周りに友達も居るのに、私たちはかぶった毛布の中でキスをした。彼のキスは驚くほど優しくて、ずっとこうしていたい、と言うふわふわした気持ちにさせられた。

試合が終わるといつものバーにみんなで出かけた。店の中で私はジョージと二人で並んで座り、たまに手をつないだり、彼の眉にあるピアスを触ったり、見つめあったりと、大勢の中に居ながら二人の空間を楽しんでいた。彼個人より彼の肉体。彼と将来の話をするより、彼の暖かい大きな手。いったいどちらを重視するべきなのだろう。もし体が目的である事を“浅はか”と非難されるなら、将来性や愛情を第一に考える関係は“打算的“、と言い返す事が出来るのではないのだろうか。

飲み会が終わると日本人の友達と家に向かった。そこへジョージが車で送ってくれると言ったので、友達も私も彼の車に乗り込んだ。家の付近に来ると友達が先に車から降りた。ジョージと私と二人だけになると彼は、家においで、と誘ってきた。私はドアに手をかけたままどうしようかと考えた。そうしている間に、歩いて遠ざかって行く友達。友達の取っている態度が冷たいのか、気を使ってくれているのか分からなかった。後々に何か言われるのは覚悟の上で、私は自分の感情に素直に従う事にした。じゃあ連れてって、と小さな声で言いながら座席に深く座りなおし、シートベルトを閉めた。
後編に続く

2004.09.10


緑川すずめ
 



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更新:2011.02.16
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