在宅系老人ホームの実態(1 )

老人ホームの裏事情Part3

老人ホームのイメージとは?和気藹々な老人たち。暗い病院のような所。夜な夜な徘徊するイメージ。じつは老人ホームにはこんな実態があるんです。老人ホームに渦巻く諸事情を辻本ゆめのがばっさり斬ります。

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辻本ゆめの自己紹介

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最終更新日:2013.06.06

創刊:2005.07.20

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第32回

在宅系老人ホームの実態(第1回)

〜セピア色の人間模様〜

連載再開にあたって、沢山の心温まるお便りをどうもありがたかった。体調を崩し、毎日身体を引きずるようにやり過ごしていただけでは少なくともわかってくださったことに深く感謝する次第である。

筆者は、4月より週1日(土曜日中心)現場復帰することになった。特別養護老人ホームであれば、話としては面白いのであるが、ショートスティ、デイサービス、訪問介護サービスをやる在宅サービスを中心とした施設(入所サービスはないので、有料老人ホームとも違う)であるので、一般の皆様にはわかりにくい施設になるかと思う。

どういう人が利用しているの?と聴かれると一言で済ますのはかなり難しいことではあるが、「一人暮らしも難しい状態でいわゆる要介護状態、かといって施設入所する踏ん切りや事情が許さない、中途半端な高齢者が週2〜3日くらい日中の暇つぶしとお風呂に入れてもらいに来たりするデイサービスと病院から退院したものの元の一人暮らしもできない、身寄りもない、だけど施設本入所はできないけど家族もみられない高齢者が居座り続けているショートスティとを中心に、残りの日は通院介助や家事援助の訪問介護サービスを補ってまわしている組織である。

ファージーであいまいな対応が大好きな日本の体質に極めてフイットした施設である。病院と在宅の中間調整やリハビリをするということで、老人保健施設というのが老人の社会的長期入院を減らす目的で始められたのは周知の事実である。「とくよう」に対して「ろうけん」と略式に呼ばれている。辻本は、「ろうけん」にかつて勤めていた経験がある。ややこしいことだが、この「ろうけん」は原則3ヶ月の滞在中に心身のリハビリ・日常生活訓練をして在宅復帰を念頭として設置されたものであった。結果的には「とくよう」に入れるのは施設入所と冷たく親戚から指をさされることはあっても「ろうけん」はリハビリをする病院のようなものだからと言い訳がたつという方のために一番もてはやされたようにも思える。「とくよう待機所」とでもいっておけば本来現実的な実態に迫る表現にでもなろうか。

現代版姥捨て施設というなら、特別養護老人ホームより老人保健施設に、こういった介護度は重度、だけど自宅はもっている老人たちの姿を多くみることになるに違いない。中途半端なので、定期的に週半分はお泊りするだけのような老人よりも、結果的自分の居所、生活の根をしっかりはることができるような気持ちを持たずに、ただ帰り先の自宅の生活環境のみとおしがつかない、その日暮しの老人が圧倒的に多い。自宅は持って残してきていても在宅にむけて人的環境も物理的環境も整えることができる見込みがない老人たちなので、今いち肝が据わらない印象を持たざるをえない。自宅には帰りたいが、帰っての生活がいくら在宅サービスを入れても24時間、365日を支えるのはむずかしい人々である。やる気のない子どもに家のお手伝いをさせるようなものである。

生活全般への関わり合い方をじっと観察していたら、機能的にはほとんど「とくよう」レベルに相当し、なおかつ現実ではこれ以上の本人の身体的または精神的回復は望めないだろうと思われる。自宅でないことは理解できても、どこにいるのかすらわからなく、答えられなくなった方が多い。夕方になるとお決まりの「そろそろ、仕事が終わったのでおいとまします。」と言う方が2、3人いた。ショートスティの希望について打診するのは異論ないところだが、ほとんど拉致同然に連れてこられ家族は置きざりにされた、捨て子ならぬ捨て老人をお預かりしている。

今年の誕生日が来れば94歳になる、小柄なおばあちゃんSさんはで比較的痴呆もなく、単に足腰が弱っていて室内移動中に転倒、大腿骨頸部骨折、今は多少のトイレ介助を必要とする程度とかなり状態的には保たれている。この場所の固定はかなり困難を極めるため、詳しくは専門書(例えば「老年医学辞典」)を読んでいただくことができれば幸いである。

本人は子どもも無く、連れ合いの旦那はすでに他界、同じ県内に住む甥さんに3千万円ほど自分の介護に対するお礼のつもりで入院中に渡したが、その甥は脳梗塞で倒れ、ご自身が要介護の状態になってしまった。そうこうしているあいだに病院の療養型病棟で約7年の入院生活を送られた。唯一遠縁者の姪は同じ東京都にいるものの、片道2時間を越える距離にある。どういう経緯があったかは定かではないが、通帳と印鑑を自宅の近所の知人に預けている。

さすがに社会的入院としても長すぎるということで病院を出されたものの、日常生活全般になんらかの介助が必要な方であった。ここにおいていただいてありがたく思っていますというのが口癖の可愛らしい上品なおばあちゃんである。ショートスティとして今の施設に来て1年あまり。Sさんの居室は病院とは異なり、個室ではある。しかしながらSさんの部屋に始めて入ったときに何か違和感を覚えた。それは何か?次号をお楽しみに。

2006.05.19
老年医学
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辻本ゆめの

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