夜も寂しい母子家庭 by 北村マリア

母子家庭で暮らしていくには想像以上の忍耐と根気が必要。時には不本意なことも・・。二人の保育園児を抱え風俗店の受付嬢も経験した妖艶なシングルママが、寂しい夜を克服しつつ母子家庭の喜怒哀楽を綴ります。

母子家庭シリーズ

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北村マリア

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北村マリアのコラム

19 実習生
18 水子
17 再会
16 現況報告
15 社会復帰
14 神経質
13 見合い話
12 風雲
11 離婚合意
10 修羅場(激情編)
9 変態談義
8 黄昏
7 潮騒
6 七転八起
5 父性愛
4 攻撃の夜
3 悶夜
2 秘め事
1 一人の夜
0 男いない歴

第1回

一人の夜


保育園へお迎えに行った時の出来事だった。長女のお友達の男の子が、
『パパいないんでしょ…』
そう、ニタニタしながらからかうように言ってきた。驚いたのは、それが娘に向かって発せられた言葉ではなく、私に向かって言われたことだ。

時々遊んでやったり、いろいろ話しかけてくることもあるし、悪ふざけの延長なのだろう。大人気なく、一瞬憮然となってしまったが、すぐに、
『そうだよ、いないよ』
とあっさり言って返すと、困ったらしく、モジモジしていた。

何だか嫌〜な気分が抜けなかった。考えすぎなのかもしれないが、その子の親の顔がちらついて仕方なかった。娘はと言えば、さっさと身支度を整えると、その子の横をすっと通り抜けて、次女の部屋までお迎えに行った。
(あれ、泣くのを我慢してるのかな)
慌てて追いかけて抱っこしたら、甘えた歓声を上げた。帰り道、
『よく、パパがいないって、からかわれるの?』
聞いてみたかったが、聞けなかった。娘も別段、無理してる感じはしなかった。

家に帰れば母子3人。怒涛の時間が過ぎていく。いつもよりほんのちょっと優しくして、遊んで笑って叱って、抱っこしてチューしてお世話して。時間はあっという間に過ぎていく。時間とともに、嫌な気分も薄らいでいった。

けれど子供たちが眠った後、気持ち深くの生傷が、自分の出番とばかりに疼きだした。結婚中、離婚のとき、女から、姑から、そして前夫から言われた言葉の数々が浮かんで、ざまあみろとばかりに打ちのめす。
『じゃあ、あんたたちのしていることは何なのよ』
一人反論したって、まさに負け犬の遠吠えだ。

こんな時は、誰かに優しくされたいと、あらぬ存在に思いを馳せる。
『お前のせいじゃないよ』
『あんまり頑張りすぎるなよ』
優しく髪をなでられたい。腕に、胸に、強く抱きしめてもらいたい。ただ黙って、男らしく抱いて欲しい。体臭と温もりと愛撫に酔いしれながら、感じて感じて、濡れつくしたい。

夢中で一時を過ごせれば、涙なんか、流すことはないだろう。

結婚中も、離婚後も、さんざん傷ついたキーワード。
『こんなはずじゃなかった…』
文字にするとギャグにもなるが、一人の夜だと、辛すぎる。

2003.03.08

北村マリア

夜も寂しい母子家庭


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