夜も寂しい母子家庭 by 北村マリア

母子家庭で暮らしていくには想像以上の忍耐と根気が必要。時には不本意なことも・・。二人の保育園児を抱え風俗店の受付嬢も経験した妖艶なシングルママが、寂しい夜を克服しつつ母子家庭の喜怒哀楽を綴ります。

母子家庭シリーズ

私は在宅母子家庭ワーカー
by 萩谷 実春

夜も寂しい母子家庭
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北村マリア

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北村マリアのコラム

19 実習生
18 水子
17 再会
16 現況報告
15 社会復帰
14 神経質
13 見合い話
12 風雲
11 離婚合意
10 修羅場(激情編)
9 変態談義
8 黄昏
7 潮騒
6 七転八起
5 父性愛
4 攻撃の夜
3 悶夜
2 秘め事
1 一人の夜
0 男いない歴

第8回

黄昏


私は部屋のために風俗に飛び込んだ。部屋のためでもあったし、生活のためでもあった。月曜日から仕事を始め、月火水と早番、木金土と遅番。部屋が決まったのは、水曜日。朝出勤したら、間取り図を手渡された。中野の1DK、家賃は10万。これで良かったら今日中にでも契約すると言われた。

敷金礼金含め50万近い金額をバンスして契約することをお願いした。バンスとは店からの借金である。バンスしなくても預貯金は250万あったのだが、一気に減らすことに一抹の不安を感じたのだ。バンスした女性には優先的に客をつけてもらえるという話も聞いていた。

自分の個室に入り即効で宅急便に連絡した。20日の立ち退き日には間に合い、ようやく一つホッとしたわけでもあるが、同時にこんなことのために体を売るのかといささか空しくもなった。非力な自分に歯噛みもした。

そんな思いをした後にマニアの餌食になったわけだが、その日2時半頃に痛めつけられた膣や子宮は泣き疲れで眠っても、まだドクンズキンとした鈍い痛みを伝えてきた。身をよじるほどの激痛ではないにしろ、女の膣や子宮は男が思っている以上にデリケートなのだ。子宮なんて臓器の一部でもあるし、そこにダメージを受けただけで、体全体の調子が狂ってしまう。

5時頃来客を知らせるインターホンが鳴ったが、まだ痛みがあることを伝えると今日は上がっていいということになり、実入りは不満足だったが上がることにした。

フロントに上がりの挨拶をしたら『病院紹介しようか』と店長が言った。その言葉でフロントの空気が変わった。何とも嫌〜な空気だった。みんな理性で自分を説得しているように見えた。『明日まで様子見てみます』とだけいい、そそくさと店を飛び出した。

外はもうすっかり真っ暗だった。どこからか肉を焼くいい匂いがした。外気に当たると幾分気分は和らいだが、一足早いクリスマスの飾り付けを目にしたら、今年こそ母子3人でクリスマスを過ごすんだ…とひどく悲しくなった。気持ちを踏みにじられてもいてくれるだけでも良かったんじゃないかとか、考えた。初冬の宵の冷たい空気は骨の中まで凍み込んでくるようだった。行く先の人生に、早くも戦慄を覚えていた。

2003.04.27

北村マリア

夜も寂しい母子家庭


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