夜も寂しい母子家庭 by 北村マリア

母子家庭で暮らしていくには想像以上の忍耐と根気が必要。時には不本意なことも・・。二人の保育園児を抱え風俗店の受付嬢も経験した妖艶なシングルママが、寂しい夜を克服しつつ母子家庭の喜怒哀楽を綴ります。

母子家庭シリーズ

私は在宅母子家庭ワーカー
by 萩谷 実春

夜も寂しい母子家庭
by 北村マリア

母子家庭・だからどーした?
by 小林絵美

 

北村マリア

発行部数
北村マリア自己紹介
ライター募集
只今たまごやでは母子家庭ママによるメルマガライターを募集中です。奮ってご応募ください>>詳細

北村マリアのコラム

19 実習生
18 水子
17 再会
16 現況報告
15 社会復帰
14 神経質
13 見合い話
12 風雲
11 離婚合意
10 修羅場(激情編)
9 変態談義
8 黄昏
7 潮騒
6 七転八起
5 父性愛
4 攻撃の夜
3 悶夜
2 秘め事
1 一人の夜
0 男いない歴

第10回

修羅場(激情編)


風俗5日目。その日は金曜日、遅番だったが、午前中には起きて引越しの準備に取り掛かった。社宅と言っても3LDKのマンションだった。そこから1DKへ引っ越すのだから、処分しなくちゃいけない物が出てくる。荷造りと処分を同時にやるのだから、楽な作業ではなかった。それでも昼頃に風俗に誘ってくれた友人が手伝いに来てくれて、作業は思った以上にはかどっていた。

そこへ、午後1時半を過ぎた頃、夫が女を伴って、突然やってきたのだからびっくりだ。『女と一緒じゃなきゃ、話もできねえのかよ』子供の前だったが、言わずにはいられなかった。夫や女は、友人がいるとは思っていなかったのだろう。友人を見て、気まずそうに立ち竦んでいた。

女のことは、亭主を取られた元女房が悔し紛れに悪口を言うようで、今まで努めて触れないようにしてきた。ともかく今は、この女が自分に形勢有利になった時から、離婚問題にやたらでしゃばってきていたことだけは伝えたい。

この女を伴ってやってきたということは、2人で離婚を迫りに来たに違いない。そう直感し、勢いに任せて夫のセカンドバックを引ったくり、中身をぶちまけた。案の定、離婚届が入っていた。名前も印鑑も押してある。

『ちょっと何よ、これ!!』と興奮する私に、友人は『あんたちょっと落ち着きな、子供の前でしょう!!』と一喝し、夫には『いくらなんでも、勝手過ぎるんじゃない?』と静かな口調で凄んだ。女が友人に『ちょっと、あんたには何も関係ないでしょ』と突っかかり、私は逆上した。

『人の家庭にズカズカ上がり込んでくるんじゃねえ』と女に掴みかかり、玄関まで引きずり出そうとした。引っかかれたり足蹴を食らわせたりしながら、何とか玄関まで連れて行き、後頭部をぶっ叩かれ鼻をぶつけたりしながらも鍵を開け、家の外に追い出した。癪に障った勢いで女の靴を女の顔めがけて思い切り投げつけ、『ばか女、二度とその面見せるんじゃねえ』と捨て台詞を吐いて扉を閉めた。相手の女は30歳、私は当時28歳。大の大人の女が全く幼稚だ。

友人はその間、夫を止めていた。『子供が見てるでしょう!!』と言ったら、夫は大人しくなったと言う。隅っこで目を瞑り耳を塞いでいる子供たちに近寄り、『ごめんな〜怖かったろう』と2人とも抱き上げたそうだ。

息も絶え絶えになりながら家に入ると子供たちは夫に抱きしめられていた。何しろ女との格闘で興奮していたので、『あんたにそんなことする資格あるの?』と突っかかったら、友人に『いい加減にしろ』と叱られてしまった。

関係ないが、天罰は下るものだ。子供の目の前で母親らしからぬ行動を取った私は、離婚して田舎に帰った直後、長女がフラッシュバックしてしまうらしいこの時のことを、嫌でも後悔させられることになった。だんだん、突然耳を塞いだり目を瞑ったりすることはなくなり、最近ようやく、神様から許されたような気がしている。

2003.05.14

北村マリア

夜も寂しい母子家庭


たまごや

週刊マナー美人

常識ぽてち

女性のためのクルマ読本

知って得する労働法

週刊節税美人

四柱推命による人生相談

お店で買うにはちと恥ずかしい

創刊:2003.02.23

最終更新日:2016.12.02

総訪問者数:

デジタルたまごやトップ