[371]ブルネイの人々 冬の東京に集う

「ブルネイにお詳しいとお聞きしたものですから」と JETROの方から電話をいただき、ブルネイのハンディクラフト業者がIFFT(国際家具見本市)に出展したのを機にレセプションがあるのでどうぞ、というご案内をいただきました。ブルネイのハンディクラフト業者にセミナーを現地で開いたのは2004年です。たった一人で 2日半のセミナーを仕切るという大役でした。もともと企業数が少ない国ゆえに私の知っている人が誰か来ているだろうと出展業者のリストを見ると2003年以来交流のある刺繍製品の会社の女性オーナーの名前を見つけました。彼女はグッドデザイン賞アセアンセレクションの第一回受賞者です。

当日は雨の強い寒い日でした。まずはブースに向かうと刺繍の女性がいました。今までご主人の顔どころか、話すら聞いたことがないのに今回はご主人も一緒の来日です。「寒いでしょう?」と赤道直下から来た二人に言うと「寒いけど、大丈夫」とニコニコ、大手デパートのバイヤーが見に来てくださったのだとか。彼女に「ねえ、あちらの会社の女性って私のセミナーに来てくれていましたか?」と聞くと「そう来ていたわよ、覚えてる?」彼女はさっそく織物の会社の女性オーナーの所へ連れて行ってくれました。「私もよく覚えています。」と織物の女性。2004年に会った時は丸顔のやさしくてきれいな人だという印象がありますが、少し日に焼けて年をとった感じがしました。「私たちもあの時は若かったわよね。」と私。「今だってみんな若いわよ。」と刺繍の女性。もう 1社はクリスタルガラスのメーカーですが、こちらはグッドデザイン賞アセアンセレクションの第二回受賞企業です。

実は JETROが 2年がけでデザインなどの専門家をブルネイに派遣し、日本市場向けの商品化指導を行い、IFFTが発表会というわけです。なぜ、ブルネイかと不思議に思う方が多いでしょうが、日本の LNG輸入の約10%をブルネイに依存しているのです。日本は世界の LNGの約 4割を輸入している世界最大の LNG輸入国です。インドネシア、マレーシア、オーストラリア、カタールに次ぐ輸入相手がブルネイなのです。ブルネイとの経済連携協定 (EPA)も2008年 7月に発効し、先日のシンガポールでのAPECでも鳩山首相がブルネイのボルキア国王と会談、ブルネイが LNGの長期安定供給と来年のAPECでの議長国日本を支持することを確認しました。このハンディクラフトの件も資源外交の延長線上にあることは間違いありません。

さて、お次はレセプションでレストランを借り切って行われました。もちろん駐日ブルネイ大使も出席されました。このレセプション、ドレスコードはセミフォーマルと書いてありました。最近はフォーマルと言ってもかなりカジュアル化していますので、はてセミ・フォーマルとはどのくらいのレベルなのかと数日悩んだ事は確かです。ましてや私の場合はビジネスパーソンとして招待されているわけでいつでも名刺を出してビジネスの話をするのをふさわしいスタイルでなくてはなりません。

黒地に水彩タッチのプリント柄のついたシフォンのミニ・ドレスに黒の長めのジャケット、チャコールグレイのタイツに黒のスエードのくしゅくしゅ感のあるロング・ブーツにしてみました。カジュアルなイタリアン・レストランですのでブーツでもスエードなら平気だろうと判断したのです。タイツにブーツの組み合わせは厳格なイスラム教徒である彼らに対しても脚を見せないという配慮もあります。日本在住のブルネイ女性なのでしょうか。被り物をしているもののやはりミニスカートにロング・ブーツ姿を発見。このくらいならドレス・コードなんてわざわざ書かなければ良いのにと思ったくらいです。こういう時男性のスーツと女性の民族服は本当に便利とうらやましく思います。

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河口容子