[213]とんでもハップン(4)

警察では紛失だとしてもパスポートのような公的書類で無い限り紛失届は出さないといわれびっくり。でも、クレジットカードもあるんですけど、と言っても回答は同じ。その上カード紛失届の番号は教えてくれてもフリーダイヤルだから警察の電話では掛からないから外で掛けてと言われた。幸いなことに携帯は持ってたので自分で掛けたけど、もし私が仏語も英語も分からない、携帯も持ってない観光客だったら同じような扱いをするのかな。
この日は同居人が国外出張で明日まで帰ってこない、家の鍵もバッグの中。今夜は野宿?地下鉄軟禁の際にお世話になった彼女にまたまた助けを求める。警察署は14区、彼女の家は11区、小銭も何もないからそこまで歩いて行くしかない。ブルゴーニュの葡萄畑ハイキングをディジョン滞在中の5年半のうちに楽しんだから歩くのは苦にならないけど。でも葡萄畑を4時間歩くのと、パリの排気ガスだらけの道路脇を歩くのは違う。せめてセーヌ川沿いを4時間歩く方がずっとずっと楽しいのに、と再びぶつぶつ言いながら歩く。
モンパルナスタワーを見たり、リュクセンブール公園を通り抜けて、サンミッシェル教会やソルボンヌの前をぶらぶらしてやっと到着。私の到着があまりにも遅いので心配した友人は興奮した様子で私を迎えてくれた。でも、当の私は天気も良かったし、マルシェで買ったバナナとグレープフルーツがすごく美味しかったので、事故に遭ったことも14区から11区までの距離もほぼ忘れかけてた。
避難していた友人宅でのんびりとお茶をすすりながら雑誌を眺めていたら、携帯に電話が。掛けてきたのはマルシェ見学の後に電車に乗ったメトロ駅の駅員さん。私のバッグがあると。実は駅ホームの椅子に置き忘れたことをこのとき初めて知った。私の名刺を見て電話を掛けて来たらしい。連絡を受けてすぐに駅まで取りに行き、その夜は無事に我が家で安眠。
フランスに来てほぼ6年。一見しっかりしてそうで、時々ボケる私はこのような事がすでにディジョンで1回あった。その時はパスポートも一緒に紛失。全ての再発行の手続きが終わった頃にバッグが無事に戻ってきた。カードも悪用されることなく。そして今回も。この2回、私のバッグには聖クリストファーのコインが。欧米では聖クリストファーというと「旅行者の守護神」として人気がある。仕事柄、旅行が多い私はペンダントにも、キーホルダーにもこれを持っています。
夢路とみこ
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